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芝田進午氏に学ぶ(2)

2001/8/29 桜坂「パンセ」智史、40代

 上田耕一郎氏と芝田氏とは互いに尊敬しあう点があったらしい。しかし、一点だけ徹底的に異なるのは、上田氏は政治家ゆえのマキャベリズムがあったけれど、芝田氏は実践的知識人ではあったがあくまで理論や真実に基づいて行動した点である。
 油井喜夫氏の『虚構』は、新日和見主義批判に対する理論的分析の書である。その本の中で上田氏や党中央の理論家幹部たちが、新日和見主義批判をどのように行なったかは、榊利夫氏や上田氏のような理論家への幻滅を持たせる。芝田氏は、批判する際には両方の主張に直接あたるべきと常々主張されていた。私は「新日和見主義批判」が店頭に並んだ頃に読んでいた文章が、このような契機から書かれていたのかと思った。党内外の理論闘争からすれば、仕方ないのかも知れぬが、闘争を行なう理論があまりに非創造的、非論理的では理論闘争とは呼べぬ。政治闘争は理論闘争と異なっていても、闘争の様式や形態は次の社会を決定する。私はそう考えている。