首相官邸ホームページ 小泉内閣総理大臣記者会見録(平成13年9月19日) に
【記 者】国連決議については、新たなものは必要ないというふうにお考えですか。
【小泉総理】それは今日も安保理の議長国でありますフランスが、内々協議しているようですね。各国、対応は 未だ決まってないと言われます。その状況を見ながら判断したいと思います。
【記 者】自衛隊の派遣については、この1368(安保理決議)号であれば要件を充たすというふうにお考えでしょうか。
【小泉総理】これは今後よく詰めていきたいと思います。
という問答がのっているが、現在まで唯一存在しているこのテロ事件に関する国連の決議は12日に採択された安保理決議1368であり、この決議はアメリカの軍事行動を自衛権の行使ならと認めている。つまり、アメリカの行動は自衛権の発動であって、国連の決議にもとづく懲罰行動のようなもの(湾岸戦争はそうであった。)ではなく、多国籍軍のようなものを編成する根拠はない。だから、記者も質問し、小泉総理もはぐらかしているのだ。アメリカの私ごとの武力行使に参加することは、集団的自衛権の発動ということになる。これは、それを認めている英仏獨など NATO同盟の加盟諸国にはありえても、憲法により集団的自衛権の行使はみとめられない我が国が足をふみいれてはならない無法行為である。
これは、戦前、天皇の統帥権を犯し、かってに満州事変をはじめた関東軍の暴挙無法に匹敵するものであり、昭和天皇はこの時犯人を厳罰に処し、戦争拡大を止めることをやらずに、結果的に追認し、日本人を戦争に巻き込んだのである。当時の主権者は天皇であったが、現在の主権者は国民である。ならば、小泉総理を厳罰に処し、戦争への歯止めなしのコミットをやめさせる責任のあるのも国民である。たとえ、戦争をはじめた責任はブッシュアメリカ大統領だとしても、世界人民にたいする日本の戦争責任は今度は、日本国民にある、ということになるであろう。
なお、小沢自由党党首の20日の記者会見でも、次のように言われている。
米国での同時多発テロに対する日本政府の対応策について、「憲法の解釈にかかわる判断を全く示すことなく、無原則で場当たり的、なし崩し的な処置に過ぎない」とする見解を発表した。
小沢氏は、これまでの国連安保理決議で米国の武力行使が容認されたとする政府の姿勢を「ごまかし」と批判。
米国の報復攻撃を自衛隊が支援するためには、集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更が不可欠だと主張し、「重大事を無原則に行うことは敗戦に至る昭和史の教訓を忘れたものであり、日本を再び誤らせることになる」と述べた。
昭和史の教訓を忘れるべきではない、と同時に、60年の安保条約期限の時期に国論を二分した時の安保反対側は、安保を続けることは、日本が戦争に巻き込まれる危険をまねくと警鐘をならしていたが、それは今日のこの事態だったのだ、とも思う。40年前 国民の自主的な選択で違う選択をしていたならと、そのとき小学生であり、当時の記憶を何も持たない私は考えている。
註
ただし、
日本共産党サイトはイリノイ大学のボイル教授の発言として、「安保理決議1368はいかなる意味でもアメリカの軍事力行使を容認するものではない」との意見を紹介しています。