2001年9月24日付、菅井良さんの『日本の参加は許されない集団的自衛権の行使である』に対してです。
小沢氏は、これまでの国連安保理決議で米国の武力行使が容認されたとする政府の姿勢を「ごまかし」と批判。米国の報復攻撃を自衛隊が支援するためには、集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更が不可欠だと主張し、「重大事を無原則に行うことは敗戦に至る昭和史の教訓を忘れたものであり、日本を再び誤らせることになる」と述べた。
もっとも厳しく、またもっとも妥当な正論だと思います。
9月25日のザ・ワイドに、桝添要一議員、辻元清美議員とともに出演した民主的の枝野幸男議員も同様のことを発言していました。「法にもとづかない海上自衛隊の護衛艦出動は明確な無法行動であり絶対許されない」と。ただし、枝野幸男議員はもちろん自衛隊派遣反対の立場ではありません。
憲法第九条を改正し、有事法を制定し、自衛隊が法律にもとづいて行動できるようにすることが、戦争の惨禍を防ぐ意味において大事なことだと思います。その意味で、小沢一郎が「重大事を無原則に行うことは敗戦に至る昭和史の教訓を忘れたものであり、日本を再び誤らせることになる」と述べたのは、きわめて正論であり、小沢一郎のようなことを言う=憲法解釈の変更が不可欠を言うことが戦争への道だというのは、転倒した間違った議論だと思います。
自衛隊が根拠法も曖昧なまま行動することほど、恐ろしいものはありません。日本が愚かな戦争の道に入ったのは、軍を法治主義によってコントロールすることができなくなったためです。軍において、下克上や革新はもっともこわいことです。「若者の元気はつらつたる行動」や「新しい考え方」は、軍にとってマイナスでしかありません。こうした「若い潮流」は、必ず、軍を無法に動かすことにつながるからです。それが日中戦争~太平洋戦争の実態です。
超タカ派の小沢一郎が言っていることはきわめて大事なことだと思います。昭和史の教訓をきちんと言うあたり、ただものではありません。
日本共産党も、テロリストの捕獲に軍事力が本当に不要なのかどうか、日本の危機管理体制を強化することになぜ日本共産党が反対するのか、これに対してきちんと対案を示し、日本共産党としての戦争反対論をがっちり展開してほしいと思います。
現時点で私は、日本共産党の戦争反対論は、小沢一郎の足元に遠く及ばない、単なる感情論にしかすぎないものと考えます。