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奇妙で抑制のない「テロ撲滅決議」に共産党までが賛成とは残念

2001/9/19 ヒゲ-戸田、40代、門真市議会議員

 大阪府門真(かどま)市議のヒゲ-戸田です。 
 この度のアメリカでの大量殺戮事件に関して、9/17門真市議会本会議で【世界を震撼させた国際テロを撲滅する決議】なるものが私以外全議員の賛成で可決されましたが、かなりおかしな内容の文書でした。
 今回の大量殺戮を非難し死者を悼むのはいいんですが、暴力に反対するのにやたらと「撲滅」という言うのも変だし、アメリカの「報復戦争」による大量殺戮の危険性には全く触れずに「断固たる姿勢」一辺倒というのも危うい。
 それにどう考えてもチグハグなのが、日本赤軍の国際根拠地建設がどうたらとかいうことに決議文の3分の1も費やしていることです。
   鮮烈市民派の私に対する執拗な攻撃を続けている当市議会の舞台裏を考えれば、「戸田は反テロ決議に反対した!」という形を作りたいのと、次の議会だよりにこの決議を大きく載せて全戸配布することで、「日本赤軍がらみで去年ガサ入れ喰ろた議員がいたで。戸田やで」と「市民啓発」したいという門真公明党らの作戦だろうと十分に推測できます。
 それと、こんなアブナイ奇妙な決議文書に、共産党までも「提案者」に回って賛成したのが残念でした。当日議運で初めてこの文案を見せられ、文書の不自然さと報復抑制の無さを問題にしていたのですが、早々に賛成に回って提案者にまでなってしまいました。
◎本質的には、門真市共産党議員団が、ここまでおかしな文案を突きつけられるとは予測していなかったために、自らの決議文案をあらかじめ作成しておらず、従って対案を示すこともできないまま、「(戸田と一緒に)反テロ決議に反対した」と宣伝されたらまずい、という判断から反対することができなくなった、ということでしょう。
◎しかしそういう事情があるとしても、こんな「報復殺戮への危惧」のないタカ派決議の「提案者」にまでなる必要はなかったし、「苦渋の賛成討論」の形で文案への注文を付けながら最後通告的文書作成のやりかたをも批判した上で「テロ反対・死者追悼の立場で賛成」とする手もあったはず。提案者にならなかったら質疑もできたのに・・
◎どんなにおかしなサンケイ新聞的タカ派主張に染まっている「反テロ決議文」であっても、「反テロ」と掲げられた以上はそれに少しでも疑問を呈したり保留を表明したりすることは、「お前らテロの味方か!」と罵声を浴びせられるような雰囲気のある環境、というのがこれからどんどん増殖されていくわけで、そこでどういう立ち居振る舞いをするかで真価が問われます。
◎共産党の場合、「国際問題関係は然るべき所に問い合わせしてから態度を決める」仕組みとのことなので、門真市共産党議員団からの連絡を受けて、決議提案者になるよう指示した上部の判断に問題があることになります。
 今後、全国的に報復偏重の決議に引きずられないよう、各方面の方々にご注意いただきたいと思います。

●私はもちろんキツク反対して「我、孤立するとも議会のカナリヤたらん」と反対演説をぶっときました。詳しくは当方HPの「ちょいマジ掲示板」「自由・論争掲示板」 の各記事をご覧下さい。

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   【世界を震撼させた国際テロを撲滅する決議】 

 米国で9月11日に発生した史上最悪の大量殺戮テロに激しい怒りを覚える。
 断じて許せない蛮行である。犠牲者数は極めて多数に上る。まずもって犠牲となられた多くの方々に対し、深く哀悼の意を表したい。テロを仕掛けた犯人達が何者なのか、何を目的にしているのかなど現段階では不明だが、このような無差別テロによっては目的は何も達成されない。許しがたい生命軽視の残虐行為としか言いようがない。また人類と文明に対する想像を絶する野蛮かつ卑劣きわまる破壊行為であり、平和と民主主義に対する重大な挑戦である。
 国連は直ちに緊急首脳会議を開き対応策を協議すべきであり、世界が混乱に陥ることを回避しなければならない。国際社会の結束と知恵が求められる。
 日本など主要各国が協調してこの事態に対応するよう積極的な役割を果たさなければならない。日本においても、1970年代に日本赤軍が世界革命戦争の国際根拠地建設のため各国で連続テロを敢行し、世界を震憾させたことを思い起こさせる。この時も多くの犠牲者を内外に出したが、一握りのテロ集団が常識はずれの偏ぱな思想をもてあそび、惨事を引き起こしている。昨年11月には日本赤軍幹部の重信房子が逮捕され判明したように国内外に根強い極左過激派集団が存在することも忘れてはならない。当局はこうした社会秩序を乱すテロ集団やそれを支援する組織活動の情報を公開し、撲滅すべきである。
 よって本市議会は、日本政府に対し国民の安全を守るため今後予見される国際テロに断固たる姿勢で臨み、このようなテロに対する危機管理の法整備に万全を期すべきことを強く要請するとともに断じてこのような世界を震憾させた国際テロは撲滅すべきである。
 以上決議する。

平成13年9月17日
                  門 真 市 議 会
 内閣総理大臣
 総務大臣
 法務大臣     各あて
 外務大臣
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