私は、労働組合運動をしたこともなく中間管理職になってしまい、危ない自分のクビを労働運動で守ってもらおうとするズルイ人物にすぎない。
さて、先日、労戦統一について、「目的」と「過程」しだいではと本欄で述べた。つまり、「連合」への再編という巨大な動きを前にして、できてしまった諸組織(全労連、全労協など)を守るのが労働運動の目的というのは、逆立ちと思う。その点で、「孤立する組合員」様、「連合」組合員を自称される「地域経済分科会」様、そのほか労働運動関係の8,9月の御発言はいずれも興味深い。
さしあたっての「目的」と「過程(運動のあり方)」について私見を述べたい。「目的」では、すべての日本の労働者と家族が安心して元気に働き生活できるための、共同の「聖域」づくりと思う。例えば、1)現在の労働法制を遵守させる、2)解雇の法的規制、3)雇用保険を含む社会保障のレベルダウン反対、ではないか(デフレの昨今賃金面の要求については、難しくて私には手に負えない)
「過程」では、「ネットワーク型運動」と述べたい。「連合」の参院選での民主党(内推薦候補?)の敗北を受け、8月はじめにサマーセミナーを開き、自民党も共産党もまねき参加した。その後、民主党と再び手打ちをしたらい(9/7しんぶん赤旗)。サマーセミナーについて、「共産党と話をしたからといって今後協力するわけではない」(笹森事務局長)とHPで述べている。このような現状からすると、組織間の統合という方向では難しく、個々の労働者のネットワーク型の連帯(注:一般名詞です)を通じて現状の諸組織を揺り動かすこと、組合未加入労働者(不安定雇用の人々含め)をネットワーク型の連帯に参加してもらいお互いに守りあい孤立しない、労働者同士の足の引っ張り合いに組み込まれるのを防ぐ(自民党がますますやりにくくなっている、小さなバラマキ的個人救済の御利益をちらつかせる、創価学会への組織勧誘、への対抗を含め)、のがよいと考えます。さらに、地方議会選挙を通じて、大胆に、上手に、かつ支配層に利用されないような用心もしながら、政治をみずから利用する賢さも、既成の枠組みを超えてネットワーク型の連帯でやるのも重要であろう。こんな折り、”聖域なき構造改革”なる”ずさんで危険な場当たり政治”をアメリカ仕込みでおこなう小泉首相は、失業率5%、GDP年換算-3.2%というこの経済危機の折り「来年は大きな選挙がないから思い切って構造改革できる」と平然と言っている。
ちなみに、「連合」、「全労連」、「全労協」の各HPをYahoo Japanでサーチしてはいり比較すると興味深い。各連合体の主張とは別に、ネットワーク型の連帯にインタネットで入ろうとする上での個々の労働者の便宜という点で私の感想を述べる。Yahoo Japanで検索して入ってみると、「連合」HPでは、図柄の利用がうまくわかりやすいが、政党のリンクで民主党しかのってなかった(9/7)。「全労連」HPは、政党リンクは両院に議席のある政党はみなでており、最近の白木屋(私も時々お客になるが)の労働組合の勝利を詳しく伝えていた。しかしトップページは英語の比率が高くて何のサイトに来たのかわかりにくいことや政党のリンクの配列が最上段が共産党で次が自民党という(9/7)というのが奇異に映った。「全労協」HPは、内容の適否は別として戦闘モードが明示されているが、用語が難しく身近に役立ちそうな情報量が少ないと感じた。全労協の政党リンクは新社会党だけであった。国会に議席は(どれほど)あっただろうか?
以上、労働者と同じ条件でたたかえず、クビのあやういズルい中年の戯言である。