「法と理性でテロ根絶を」というスローガンについて
テロ「根絶」のためとして、わが日本共産党執行部は「法と理性」を喧伝している。しかしながら、その「射程」範囲はテロ組織の権力的防遏に止まるものであって、テロが何故起きるのか―何故アメリカ合州国が斯くまでのテロに狙われるのかについては解明らしい解明を欠落させている。それは、何故か。わが日本共産党執行部がもっとも腐心していることは、テロ組織=過激派=日本赤軍=日本の過激派(党執行部云うところの「ニセ左翼」)と日本共産党とを同一視させないことなのではなかろうか。テロ発生の由って来る所以を解明し、そこに横たわる不正義・不公正・抑圧・差別・貧困・飢餓の根治への努力こそテロ終焉(テロ「根絶」なる不正確な表現は止めるべきだろう)の唯一の道であることを闡明すべきにも拘わらず、「テロ根絶」をお題目のように唱える執行部の態度は如何なものであろうか。テロが何故起こるかに言及すると「テロ容認」に見られてしまうという極度の恐れが、党執行部を支配していると見るほかない。