地球人は21世紀に生き延びることができるのでしょうか?
テロ事件直後に、とんびがテロ直後に感じたこと、志位衆議院議員(共産党委員長)の小泉首相への質問の論法から懸念したこと、をはるかに超えることが、事実となりつつあります。
マスコミは「テロ対策特別措置法案」については報じますが、同時に、海上保安庁法や自衛隊法が次々と十分な議論もなく改正されつつあることはあまり報道されません。さらに、これらに対する反対運動や少なくとも批判や論議が、日本人の間で広く十分になされているとは感じられません。というより、これらを率先して行うべき諸政党が、言論の自由や議会という制度があるにもかかわらず、勢力争いの道具-公明党と民主党のキャスティングボート争い-として、これらの法案をもてあそんでいます。
「平和憲法を護る」と前回の参議院議員選挙で訴えた社民党、共産党の行動も十分人々を動かすとは感じられません。例えば、共産党議長・委員長は、各国政府には報復戦争反対をまず訴えました。しかし、多くの国に住む人々の運動には働きかけていません。(日本の中でも運動を広げたとはいえません)目下の焦点の国の一つ、パキスタンは軍事クーデタでできた政府です。ですから、政府に訴えることが、そこに住む人々の共感を呼ぶとは限りません。続いて共産党首脳が出した、各国政府への訴えでは、経済制裁等を尽くした上でと条件をつけながらも、「国連安保理決議があれば軍事介入もやむをえない」と明言しました。米国や小泉首相は、「既になされた国連安保理決議で軍事介入可能」と解釈しています。
極めつけは、「日本が先に武力行使する国にする」海上保安庁法改正案についての諸政党の態度です。自民党の党内論議ホームページによれば、8月9日(!)の国防部会等合同会議で、海上保安庁法改正を入り口にして自衛隊が「不審船」に武力攻撃できるようにしよう、ということが公言されています。その点からすると、9月のテロ事件という他人(「同盟国」)の不幸をだしにして、今回の諸改正が一気にすすめられているのがおわかりでしょう。(どうしても日本人を同盟国の不幸を和らげるのに役立てるなら、ニューヨーク復興に協力するのがずっとよいことでしょう)
この改正によって、「不審船」をめぐり想定する2つの場合に日本が戦争の開始者になる道が開けつつあると思います。(1)「不審船」の領海侵犯行為において逃げようとしたときに、威嚇でなく、危害射撃ができるようになったことです。射程距離から考えて、公海上で「不審船」が被弾することがまず考えられます。(2)「不審船」が、アデンで起こったような自爆テロを企てて米軍軍艦(自衛隊艦でもありうる)へ向かってきた場合です。小泉首相の出身地横須賀港を想定できます。そこで、「不審船」に対し、日本の海上保安庁が「警察行為」と称してまず、危害射撃をおこなう場合です。「不審船」を操る人々は、警察が撃ったか、自衛隊が撃ったかを区別するでしょうか? 明らかに見えるのは「日の丸」から、まず発砲されたことです。
この海上保安庁法改正に賛成した、衆議院議員たち(衆議院議席の95%以上でしょう)が、港や空港を持つ選出地の地元の人々に、きちんと説明できるか大変疑問です。95%以上の日本人が、この法改正案のもつ意味をよく説明された上で賛成するとは、思えません。そして、このような重大な問題が、テロ事件のかなり以前から政権党より提起されていながら、食い止められない平和運動の現状を大変残念です。個人的には、とんびは、地元の各党地方議員やいくつかの政党の中央本部に意見したりしました。友人にはマスコミに報じられない、奇妙な動きを語ったりしたつもりです。しかし、私自身では、力が及んでいない事実もあります。
政党やその衆議院議員たちが信用できなくなった今、現行法を生かすとすれば、票にこだわる議員・視聴率等にこだわるマスコミを地元で個々に揺さぶり、議員たちを選びなおしてはどうでしょうか?