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浩二さんへ

2001/10/7 うさぎ、30代、労働者

 加藤さんの対談は鴨川の「日本的ということ」加藤対話集一にあります。1974年の対談です。古在さんもはじめはきざな人という印象でした。しかし、水村美苗氏が言うように、加藤さんほど志の高い物書きはいないと思います。
 私の引用の仕方が舌足らずだったのでしょうから、正確に引用しましょう。「中国やアメリカは日本にとってはこれだけの関係があって、これだけの強大な国なんですから、中国がどうなっているか、アメリカがどうなっているかと言うことの方がはるかに大問題でしょう。加藤周一が意地悪であるか親切であるか、博学か無学かと言うことはあまり重要ではないと思う。批林批孔運動とは何かという問題の重要さに比べたら、たかが一人の男の心理なんてとるに足らない」。
 これは日本での書評の仕方を述べているのです。中国の現象についての意見が大事であって、加藤がきざだとかぼけたとか言うことはどうでもいいというのです。毛沢東は権力者ですから、彼の心理はどうでもいいことにはなりますまい。スターリンもそうです。加藤さんは批林批孔が正しいとか言うのではなく、その現象の仕組みや行方を知りたいと言うことなのです。
 これは今のテロ問題を考えるときにも大事な視点です。赤旗10/1によれば、アフガンではダウド、タラキ、アミンと政権がかわり、ソヴェトが侵略し、米国が介入した。米国などは聖戦にテコ入れした。米ソの責任は重いのではないでしょうか。テロの背景と動機は何かと言うことも知る必要があります。
 加藤さんは戦争と言論抑圧に反対し、特に集団主義による言論抑圧に反対しています。その趣旨を正確につかむべきです。