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一般投稿欄

共産党批判の性格

2001/11/18 ラジカセ、サービス業

 最近は、共産党系HPはどこも盛り上がらないようである。共産党に対する関心が薄れてきたという面もあるかもしれないが、インターネット上での共産党に関する議論のありかたを考えるうえでの参考にでもなればと、つぎのような整理をおこなってみたい。

1 インターネット以前の共産党批判

 この段階では、組織内部の情報が外に漏れるということはほとんどない。そこで、共産党に対する批判は、共産党員以外の部外者か離党者によるものに限られる。部外者であれば、民主集中制批判にしても事実に基づいた批判を行うことは困難である。イメージでしか批判できないために、「反共偏見」として片付けられることが多かった。右翼などの街宣車がくるたびにむしろ団結力は高まっていった。離党者による批判も、「ソ連から金をもらった」「原水禁運動を裏切った」などのそれなりの正当な理由があって除名された者たちであり、党内に影響力を及ぼすことは少なかった。ただし、多くの党員は、個人レベルで相当ながまんを強いられ、不満をため込んでいた。ただ、それはあくまで自分個人の問題であり、「うちの支部だけ」の問題であり、「情勢が迫っている」なかで個人的なことをいってもしょうがないとおもっていた。情報が閉鎖されているなかで、外に対しては「反共偏見」、内に対しては「情勢が迫っている」という論理で団結力を保持していたのである。

2 インターネット登場と共産党批判

 インターネット登場により、多くの党員はおどろいた。はじめてほかの党員が何を考えているのかということを知るようになった。それまでは、それなりに個人的見解をもっていたとしても、建前として「中央と同じこと」しかいわなかった。「中央と異なる」意見を自分がもったとしても、同じことしかいわない党員ばかりでは、自分の「学習不足」を責める以外になかった。ところが、インターネットの登場により、ついに「党員個人」が登場してきた。他人の意見が聞けるようになった。内の支部だけの問題だと思っていたことが、他の支部でも同じ問題を抱えていることがわかった。中央や中間機関にばかり集中していた情報は、末端党員にまで降りてきた。自分の支部の問題が、個人的な問題ではなく、組織の構造上の問題であることがわかってきた。
 右翼の連中の意味不明な「反共偏見」は消えた。むしろ、そういった連中もインターネットの情報に依拠しなければ共産党批判が展開できないことを認識しはじめた。事実に基づく共産党批判が展開されはじめたのである

3 インターネット上での批判と共産党批判

 「さざ波」が登場したとき、共産党は「さざ波」を革マルかなにかだと考えていた。共産党員がこれほど激しく共産党を批判するなど予想もしなかったのだ。ところが、批判者は現役党員であった。投稿者も現役・元党員であることがわかってきた。それなりに事実に基づいた批判であることもわかってきた。共産党は、「反共偏見」だとはいわなくなった。そのかわりに、内部の統制を強め、インターネットの投稿者を探し出し、査問にかけた。だがそれでも共産党批判は鳴り止まない。インターネット登場以前の党員の不満が一気に爆発したのだ。人生を破壊された元党員の反撃がはじまったのだ。共産党の論調はかわっていった。インターネットでの批判を意識し、それとなく「党活動版」においても触れるようになってきた。朝日の不破インタビューの質問内容も、インターネットで出された論点をそのまま取り上げたものである。もう、インターネットを無視することはできないのである。

4 ある程度の成熟

 最近の共産党系HPの議論は盛り上がらない。なぜか? ひとつには、ある程度、論点が出尽くした感があるということである。「共産党員は同じことばかり言う」という批判は、当初は新鮮な批判であったが、もはや常識となった。民主団体内部の問題、専従問題、査問、党内選挙制度、これらの問題についてもあるていど出尽くしたといってよいかもしれない。これらの問題について、共産党が真剣に取組むのであればインターネットで批判する必要もないかもしれない。逆に無視するのであれば、もはや共産党に愛想を尽かし、投稿する気になれないのかもしれない。もう一つは、インターネット以前では新聞の読者投稿欄のようなものがあり、そこに載せてもらうためにはそれなりに文献を調べ頭をつかったはずである。ところがインターネットではだれもが気軽に投稿できる。たいして調べもせず思いつきだけの投稿が氾濫するようになった。あまりの水準の低さにインターネットで議論すること自体にいやけがさしてくる人もいるかもしれない。みっつめとして、最近の情勢の速さと共産党の方針転換の早さに起因する側面もあるかもしれない。情勢の動きがはやすぎて何を議論してよいのか戸惑っているのかもしれない。
 まあなんであるにせよ、わたしの意見としては、もう少し投稿するなら投稿するで、なんでもいいから文献をよみ、それなりの事実に基づいて議論すべきだろう。その分、投稿回数は減退するかもしれないがそれはそれでいいと思う。ちなみに、このサイトはどうも自衛隊活用論以来、急速に水準が落ちたような気がする。なにか原因があるのでは?