11月18日に東京国際フォーラムで開催された「タウンミーティングイン東京」で、参加者がアフガン戦争への自衛隊派兵について小泉首相を批判し、「建造物侵入」容疑で逮捕されるという事件が発生しました。当日、その会場に居合わせた者として、この知らせを聞いて背筋の寒くなる感覚に襲われ、憤りを禁じ得ません。ついに日本はここまできたか。戦争を批判する勢力を「非国民」「国賊」として扱い、批判の言論そのものを封殺する、第二次大戦下のあの日本の状況といったいどこが違うのでしょうか。
逮捕の直接的な理由は「建造物侵入」だということです。報道によると「『タウンミーティングイン東京』の会場に正当な理由がないのに入った」ことがその容疑だといいます。これは驚きです。当日は厳重な警備体制のもと、政府の発行した参加証と身分証明書を提示しなければ会場には入れません。逮捕された人たちが「侵入」したなどとはとても思えません。
しかも、逮捕された一人は会場での討論で一番目に司会から指され、「私はアフガニスタン戦争への自衛隊の派兵に反対です」と堂々と発言していた人です。こうした発言や、会場で小泉首相に「憲法改悪反対」と主張することに「正当な理由がない」というのはどういうことなのでしょうか。要するに、政府の政策に反対する意見については、その存在を認めることすら否定し封殺するということではないでしょうか。これは政治的弾圧としかいいようがありません。
私は、日本がついに戦争に参加するということに強い危惧を覚えています。憲法がないがしろにされることを放置することはできません。そして、今まさに私の眼前で起きた、日本の歴史の歯車が50年以上前の状況に逆戻りすることを何とかしなければ、と思っています。