「不審船」と銃撃応酬。海保の背中を押したのはだれ。
11月、「参戦法」と不可分一体のものとして海上保安庁法が改正されました。そして、今回、直接の法的根拠に違いこそあれ、あたかもその面目を果たそうとするかのように、奄美沖で海上保安庁が「不審船」と銃撃を演じる事態を迎えてしまいました。強面(こわもて)の応対をとらなくても、お引取り願うことはできたはずなのに何としたことでしょうか。一挙に緊張を高め、わがニッポン国政府をして、軍事力依存・有事法制制定邁進に弾みをつける奇貨を自ら引き出してしまった観があります。今日、立ち寄ったそば屋でたまたま見た産経新聞社説(こんな紙面をいつも見ている人々が大勢いることが怖いですね)には、政府を焚きつける実に勇ましい文面が踊っていました。テレビでは、軍事指揮官よろしく扇千景氏が「今まで歯痒い思いをしてきましたから」と顔を紅潮させて語っていました。已んぬるかかな。
ところで、「不審船」捕捉の功を焦った海上保安庁の背中を押した多数の者の中に、同法に賛成票を投じたわが日本共産党が確信犯然として入っていたことをこの際銘記しなければならないでしょう。軍事力有効路線に明確に舵をきった日本共産党幹部諸侯は、今回の「非常時」をうけ、国家主権(これを尊重することが日本共産党の合法性と正当性を確保する上で肝要だと、幹部諸侯は考えているように見えます)の護持のため、「軍事合理的」な論理の赴くまま、一層の愛国主義を発揮するのではなかろうかと懸念されます。
「天皇制と軍隊にどういう態度をとるか、再び我々が試される時代が近づいている」:これは、最近読んだある書籍紹介記事の引用受け売りですが、今の日本共産党の危機状況にぴったりとあてはまりそうです。
果たして、「しんぶん赤旗」の報道論評や如何に。