本サイト「伝言板」所収桜坂智史氏のご報告によれば、12月22日「日本青年館で行われた古在由重氏を偲ぶ集いは、圧巻だった。」とのこと。なるほどとうなずける。ところで、同報告によれば、多士済済の中に、犬丸義一氏が出席されていたとのこと。
犬丸氏といえば、日本共産党員として明確に党派性を踏まえた歴史学者として高名。昨年の22回党大会に際して、基本的に大会報告を支持した意見書を発表していることも周知の党員。
ところで、犬丸氏が古在由重氏をどのような立場で偲ぶ会へ出席したか、詳細はもとより忖度のしようもないが、気にかかることが一点ある。
ことは1984年に起きた日本共産党による日本原水協・日本平和委員会役員人事介入事件。犬丸氏は、日本平和委員会事務局長森賢一氏の解任を目的とした日本平和委員会全国理事会に理事として出席。党派性を遺憾なく発揮して、森氏解任に賛成したと関係者に記憶されている。森氏は吉田嘉清氏(当時日本原水協代表理事)ともども、この事件で粛清。その吉田氏解任に強硬に反対して、これまた粛清されたのが,古在由重氏であることも周知の事実(「日本共産党の70年」には、この事件での古在由重氏を評して「党員として晩節をまっとうできなかった」とまで貶めているのも有名)。
組織上は原水協、平和委員会と隔てはあるものの、同じ案件での粛清に手を貸した犬丸氏が、なぜ古在由重氏を偲べるのかはなはだ不可解というほかあるまい。
明確で誠実な総括が求められる所以である。