12月24日付けの高橋甫氏の文章は、参考になった。私なりに推測を述べたい。実は私も犬丸氏にお会いしたことはなく論文を離れての面識はない。ただ有田芳生氏には懇意にしただいており、有田氏からは「犬丸氏に会った」と聞いても読んでもいるので、会場に参加されたことは間違いはない。
原水協の問題は、高橋氏のご教示のとおりと思うし、犬丸氏がそれに加担したことは、古在さんを偲ぶ資格を問われても仕方ない。九段会館で古在さんを追悼する集会があった頃に、画家の永井潔氏は賛同人に名を連ねていた。しかし党中央からの強い批判があったのだと思うが、当日は「降りていた」。犬丸氏は最近になって、古在さんへの対応で党員としての組織的対応よりも、学者としての存在論にウェイトを置いたのではないか。
共産党系列の東京唯物論研究会と共産党を追われた文学同人葦牙が共同して、11月にシンポジウムを開催している。もしかしたら学者・研究者への規制が暗黙の内に党中央で変更されているのではないか。いずれにしても、研究者は独立した個人としての倫理が求められていることは、高橋氏の論の通りと共感をもつ。