なるほど、確かにキリスト教は「神の国」「天国」を描き、救世主による救済をうたっていますね。しかし、このようなキリスト教が生まれたのは、古代ローマ帝国による人民大衆への過酷な支配と収奪に対し、決起し、闘っても自由が得られない絶望があったからでした。
だから、原始キリスト教は古代ローマ帝国に対し、果敢に闘い、その屋台骨を大いにゆるがしました。そこで危機感をもったローマ皇帝はキリスト教と手を組んで、布教の自由を認める代わりに、反抗しないようにしたのでした。
以来、国家権力と結合した宗教は、人民支配の思想的道具として利用されるようになったのです。十字軍や魔女裁判、植民地化と侵略戦争、原爆投下などすべてはキリスト教を信じた人々が行ないました。2000年経っても神の国は何処にもありません。
一方で、科学的社会主義たるマルクス主義は、実際にこの世に社会主義の国家を作り上げました。ここに大きな違いがあります。