龍の騎士さんによる唯物論の説明に疑問があるのでお聞きします。
龍の騎士さんは、唯物論と観念論の違いにおいて2つの異なった説明をされています。
前者では、
観念論・・・世界は何らかのかたちで創られたのか
唯物論・・・世界は永遠の過去から未来にわたって存在するものであるのか
後者では、
観念論・・・精神が物質よりも決定的・根本的な存在であり、
物質は精神の産物にすぎない。
唯物論・・・物質こそ根本的な存在であり、精神は人間の頭脳活動によって生み出されたもので、人間の頭脳を離れた精神的存在(たとえば「幽霊」)などというものは存在し得ない。
前者と後者では、明らかに異なります。前者の定義は、唯物論が常識的な考え方であることを説明する場合に使用されることが多いように感じますが、正確ではないと思います。現代のほとんどの日本人は、人類の歴史よりも物質の歴史が先行するという事実を認めるでしょうが、後者の定義では、唯物論を認めない人はかなりいるだろうと思います。
疑問1、この2つの定義は異なるのではないか?
「人間の頭脳を離れた精神的存在(たとえば「幽霊」)などというものは存在し得ない。」ということですが、幽霊が存在すると考えている人は、幽霊が精神的存在であると考えていないでしょう。「物質とは、人間にその感覚においてあたえられており、われわれの感覚から独立して存在しながら、われわれの感覚によって模写され、撮影され、反映される客観的実在を言いあらわすための哲学的範疇である」(『唯物論と経験批判論』)。とすれば、幽霊が人間の感覚では捉えられないが存在すると考えている人に対して、「幽霊は我々の頭脳の外に存在しない、つまり物質でないので精神的存在である」と言っても「感覚では捉えられないが我々の頭脳の外に確かに存在すると思う」と反論されれば、
疑問2、この議論は、決着が着かないのではないでしょうか?