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もう少し考慮に値する投稿を>一傍観者さんへ

2002/2/14 澄空、30代、会社員

 私の投稿に対して一傍観者さんから批評?がありましたが、なんだかわけのわからないものでした。簡単におかしなところを指摘しておきます。

 私のような者がこういう投稿を見ると思うのが、具体的には、どのように「自民党政治の歯車を逆回転」させるのか、ということです。澄空さんの仰る理想は、誠に結構なものです。しかし、日本が日米安保体制やアメリカ経済への依存を、何らの犠牲なしで脱却できるとは思えません。農業を優遇して、グローバル企業を切り捨てて、中小企業の存在のみを許す農業国になるには、大変な痛みを伴うはずです。その犠牲や痛みを恐れるからこそ、自民党に支持が集まり、共産党への支持は、2%しかないのではありませんか?

 まず、私の意見だとして書かれているのだけど、なんだか変です? 「常に現実を前提として、議論を進めたがる」のは大いに結構ですが、他人の意見を歪曲してはなんにもなりません。
 私は「農業を優遇して、グローバル企業を切り捨てて、中小企業の存在のみを許す農業国になる」とは書いていないですね? そのような日本の近現代史と現状を無視したやり方はほとんど不可能でしょう? このうち、「農業の優遇」という言い方は別にそれでもかまいませんが、欧米の先進国と呼ばれる国々は、「農業を優遇」しているからこそ自給率が100%前後になっているのです。でも、これらの国々は「グローバル企業を切り捨て」てはいませんよね? 工業国でありながら農業国でもある、そういう産業のバランスの問題なんですよ。「濡れ手に粟」状態と言っても良いくらいのグローバル企業への優遇をやめたからと言って、グローバル企業は消えてなくなったりはしません。ずいぶん心配性のようですが、グローバル企業に対する心配より、もっと心配しなければいけないことはたくさんあると思うのですが、いかがなものでしょうか?

 次に、どんな改革・革命も「大変な痛みを伴う」ことは一般的に言えば、そのとおりです。ただし、一傍観者さんに抜けている観点は、現在の日本の政治において、「大変な痛み」を強いられてきた人、強いられている人、これからも強いられる人がいる、これをどうするのかということです。同じ痛みを伴うなら「誠に結構な」「理想」の方が素敵だと思いませんか? 日本共産党を真に支えている層は、そういう人たちだということです。そして、それは「2%しかいない」のではなく、少なくとも2%はいるのです。党員三十数十万人、支持者数百万人と言えば、東京に次ぐ大都市になりますよ。ちがうでしょうか?

 関連して、あなたのお好きな「覚悟」の問題について指摘しておきましょう。アメリカの戦争に協力しないならアメリカ経済から断ち切られる、あるいは、アメリカ経済依存から脱却するのに「大変な痛み」がある、だからその「覚悟」が必要だと言うものですが、こんな単純極まりない論理(=デタラメな論理)は世間では通用しません。こんな論理は、”私は消費税に反対だから、消費税は払わなくてもよい”と言ってるのと同じですよ。
 それに、現在は日本共産党と共産主義者が政権をもってるのではないんですよ。もし、日本共産党が政権を持っていて、ある改革を進める政策を打ち出したとすれば、それに対する「覚悟」ができていれば、私はそれを支持しますし、「覚悟」がなければ反対します。でも、今政権を持ってるのは、自民・保守・公明ですよね。彼らが進めている政策は、新自由主義「改革」・大国主義的「改革」と私たちが呼んでいる政策です。私たちはそれらに対する「覚悟」がないからこそ、反対しているのです。わかりますか?
 つまり、現在求められている「覚悟」があるとすれば、それはグローバル企業の私的利益のために公益を切り捨て、アメリカが進める戦争政策に日本が加担する、そういう政策を受け入れる「覚悟」です。一傍観者さんが、それに反対しないんであれば、アメリカが進める戦争に日本が加担する場合に、あなたがすすんで志願兵となって血を流す決意がある、ということですよね? 他人に必要もない「覚悟」を要求する以上、あなたには「覚悟」ができているはずです!! そうだとすれば立派な右翼あるいはファシスト、新しいところで小林よしのり信者?だと思いますがね。

 この態度もいささかおかしい、と思います。澄空さんは、私を保守的な立場の人間だから、相手にしなくてもよいとお考えのようですが、大抵の農業従事者の方は、保守的な考えの持ち主です。だからこそ、選挙においては、農村地域で自民党の候補者が当選するのです。澄空さんは、日本の食料自給率を上げたいと思っていらっしゃるようですが、相手にしたくない保守的な農業従事者の方とはどのように連帯なさるおつもりでしょうか。さらには、基本的な立場を相違する人と議論をしないで、どうやって自分たちの勢力への支持を増やそうというのでしょうか。このような態度では、共産党他左翼勢力への支持は先細るばかりとなりましょう。

 ここでも、私の意見は歪曲されていますね。短い文章なんだから、少しはまともに人の意見を受けとめてほしいものです。私は「立場が違うから議論が成り立たない」とは言いましたけど、「保守的な立場の人間だから、相手にしなくてよい」とは言ってませんよ。ひどいなぁ、あなたの投稿だけ読んだら、私は悪人ですな!
 私は議論の場所と自分の自由にできる時間を考慮しているのです。まず、他ならぬこの「さざ波通信」の場は、「保守政治家と激論をかわす場所ではない」と言ったのです。保守的な考えの人と議論をする場は他にもあるでしょ? もし私が、そうした方々と議論する能力と時間があれば、その目的にかなうと思われるサイトを探して、そこで議論をします。「ここではしないよ」と言ってるんですよ。それだけのことです。
 それに、私は「会社員」と書いてるように、自分が自由にできる時間は限られているのです。限られた時間で、インターネット上のどのような相手と議論するのか、選択の自由は私にあるんじゃないんですか? それとも、あなたは私にこのサイトの保守的意見全部に応答せよとでもおっしゃるのでしょうか?!
 いずれにしても、あなたの議論の進め方は、単純極まりない論理と人の意見の歪曲に立脚しているようですね。他人から「悪意」だと言われるのが気になるのでしたら、まず自らの姿勢を正すところからはじめましょうね。このようなものを書いてたら、誰にも相手にしてもらえませんよ。「退散」した方がいいかもね。