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それでも辻元議員や社民党を擁護しますか?:「辻元擁護論」について

2002/3/26 とんび、40代、医療専門職

 社民党辻元清美代議士の政策秘書にかかわる政治資金規正法違反・詐欺容疑がホットに論じられています。当サイトでは、辻元擁護論が散見いたしますが、これは民主政治において適切でしょうか? これを執筆した3.26未明の時点ではむしろ、辻元氏と社民党の問題性が一層浮かび上がったと思います。(辻元氏の3月20日の記者会見、25日深夜のニュース番組出演での一問一答、26日未明の土井党首の記者会見が主な情報源)
 結論的に言うと、辻元氏の行為および社民党の対応は議会制民主主義に相反すると思います。
①辻元氏は今回の件で、税金を不正に使用したという認識がない。「政治活動に使ったのだから、手続きには問題はあったが良い」ともきこえる。金額は年約1000万円という。
②辻元氏の政治活動なるものに関連して、政策秘書の活動は、陳情等があった場合「社民党系か共産党系をよりわけるなど重要な仕事をしていた」と公然と発言。
③辻元氏は、他の議員も同様のことをやっている、とかわそうとした。
④辻元氏の虚偽にみちた3.20記者会見に先だって報道があり複数の同党議員の実名が出た。しかし社民党は、世間の批判が高まってようやく独自調査を行った。
⑤社民党は、辻元氏に対し、党としての処分や議員辞職勧告を行っていない。

 背景として忘れてはならないのは
①辻元氏は「自社さ」連立政権の与党議員、社民党の「看板娘」として96年に初当選。
②辻元氏の議会での法案賛否等は、与党の枠組みに忠実。
③辻元氏は党内で出世し政審会長の要職にある。
④社民党は政党助成金を受け取っている。
⑤辻元氏は小選挙区制で当選。
 辻元議員の活動の中には、平和運動への一定の協力や鈴木宗男議員疑惑への追及など賛意を示せるものもありますが、上記背景からすると議員辻元氏のパフォーマンスとみなされてもやむをえません。(従って、辻元氏には「人気」は高くても政治家としての信頼は乏しく、その言行には是々非々とせざるをえません)同時に、社民党が看板として護憲・平和・福祉を掲げるのは良いことです。しかし社民党が、少なくともその看板を裏切らずに、労働者階級(最大の最終納税者群)の利益を守り少なくともそれを裏切らない活動を実態としている、とはいいきれないでしょう。「皇孫誕生」への天皇への賀詞決議や新自由主義的「改革」諸政策に国政では賛成し、多くの自治体首長選挙では自民党・民主党・公明党と連合しています。

 ちなみに、野坂参三氏について、旧ソ連逃亡下での山本懸蔵氏の銃殺への関与の疑惑がマスミで明らかになった後、日本共産党は(遅きに失した感はありますが)ただちに独自の調査を行ないました。そして、上記への関与を明らかにしただけでなく60年代におよぶ旧ソ連共産党との密通まで解明し、名誉議長の解任・その後除名と厳しい処断を行ないました。「野坂帰国」人気や日本国憲法制定時の議会での活動、その後の同氏の大衆的人気と集票力はあったにせよ、政党としての内部規律を保ったのは適切だったと思います。

 それでも辻元氏と社民党を擁護しますか? もし辻元氏が辞めなければ、鈴木氏・加藤氏・鹿野氏(いずれも所属政党を離党)も議員を辞めないだけでなく、政党助成法・企業団体献金・あっせん利得の厳格な禁止等の構造的問題が蓋されてしまいせんか?