さざ波の投稿欄で、支部内で議論すべきか否かが争点になっているようである。「支部に帰れ」と主張する者は、共産党は「政治結社」であり、「討論クラブ」ではないと主張する。特に、「防衛」という観点からネットでの議論に対して否定的である。たとえ、投稿意見が正論であったとしても、それが党員であるならば「規約違反」に相当するというのである。
支部に閉じこもるのではなく、ネットでの議論を促す立場の者は、わずか4~5人の支部に議論が閉じ込められることによって、「少数意見」「中央への異論」を知ることができないという不満に加え、「査問」「辛酸氏の事件」等が隠蔽される可能性があると主張する。
どちらも完全に間違っているとはいえない、と私は思う。問題は、支部に限定されるべき議論とネットに開放してもよい議論を区別すればよいのである。例えば、各職場・学園に責任を持つのが支部であるが、当然、支部活動の内容をネットで流すことは許されない。ときどき、「支部内での議論」を主張する人が、投稿者に対して「どんな実践をしていますか?」などと質問している人がいるが、この質問自体矛盾している。ネットでは、「どんな実践をしているか」などを議論することはできない。「支部内での議論」を主張しながら、相手側にネットで「実践」の内容を述べなさい、ということ事態おかしいのである。
逆に投稿者に問われている問題は、「防衛問題」をどう考えるかである。抽象的な話をしてもしかたがないので、具体的に考えてみよう。次のなかからネットで議論すべき問題と支部で議論すべき問題を考えてください。
①ある支部で、党員が赤旗を3部増やした
②党員Aが党員Bの財布を盗んだ
③支部の「政策―計画」
④綱領路線
⑤自衛隊活用論
⑥消費税をどうするか?
①は、赤旗の党活動版にも乗る可能性があるので、「支部かネット」かという争点にはならないだろう。②は、党内で解決すべき問題である。党員Bにも人権はある。ただし、財布を盗んだというレベルから、「鉄パイプで頭蓋骨を陥没するまで殴った」というレベルになれば、やはり「党内で議論」するのではなく、身の安全のためにできるだけ早く警察に届け出を出すべきである。③は、もちろん「支部内」である。④はどうだろうか?例えば、国家独占資本主義や帝国主義の概念に疑問を持ったとしよう。学者以外の党員が議論することは許されないだろうか。否である。防衛問題とは、何の関係もないからである。選挙でのマイナスにもならないだろう。では、⑤と⑥は?この辺になると、微妙ではある。おそらく、「支部内」派と「ネット」派の争点もこのあたりに落ち着くのではないかと考える。こうした問題をどちらで議論すべきか、答えはでにくいかもしれない。
ただ、ゲームの世界で考えると、投稿者は誰がなんといおうと投稿するだろうし、「支部内」で議論すべしといくら憤激したみたところで、インターネットは「物質的諸力」であり、潰すことはできない。やはり、ネットでの議論が前提になってくるように思われる。
さて、質問である。ここに投稿している人たちは、一体、「防衛問題」や「職場で奮闘している」活動家への影響をどう考えているのだろうか?是非、真剣に考えていただきたい。逆に、支部内で議論すべしという人たちは、「査問」や「辛酸氏の事件」をどう考えているのだろうか。「党も過ちを犯す」「確かにそういう問題もある」「人間は完璧ではない」「まだ読んでいない」、などと問題を避けているようではネットそのものが、「反共の巣」になりかねないだろう。