21世紀は人権憲法を実質化する時代といわれています。教育は人権中の人権です。高等教育は日本の明日をになう人材育成の機関ですから、知的立国日本にとっては極めて重要です。
宮医大は学年制・全科目再履修制で、昔は14科目中2科目60点以下があれば落第でした。いまは少し楽になっていますす。昔はひどかったです。不況の時代にあって学生は良く勉強していますが、本学はいまも落第率日本一で、多いときは一学年45人程留年します。数年前でした。
6年在学するのに多額の教育費がかかるのに、留年すると更に金が必要になります。日本の奨学金の額は少ないです。しかも殆ど貸与で、外国とは違います。
医学部を卒業するのに最低1000万円いるのではないでしょうか。暗記が苦手な私など貧乏育ち故40で入学し、3年次留年で奨学金が止まり休学して働きましたが、この不況の中高齢者に仕事がありません。借金のめどもなく結局除籍になりましたが、違憲取り消しの裁判中です。教育、法律関係者にきいても、履修規程は少しおかしいといいます。敗訴すれば大学の特権が復活して市民学生への支配力が強まるでしょう。独立行政法人化で学費を上げるでしょう。多くの大学が権力を強化するでしょう。但し単位認定を厳格公正に行うことには異論はありません。
処で大学はそもそも昔から全世界中累加的単位制であることが分かりました。その理由は定かではありません。大学設置基準には6年以上在学して所定の単位を取れば卒業できるとあり、学年制という文字はどこにもありません。高校でも単位制の流れです。こちらは国際化や不登校問題や個性豊かな教育とも関連しているようです。
大検資格では累積的単位取得制です。憲法では学問の自由が保障され、経済的社会的に差別なく教育を受ける権利が保障されています。これは教育の機会均等です。
一方、大学には学則を作る裁量権があります。しかし大学の自治は自由平等の人権憲法を侵してはなりません。大学特権を支える特別関係説は戦後廃れました。いまや大学と市民とは、サービス教育産業と消費者の関係だといえましょう。
落第したら、合格科目単位も再度実習受講して取り直せという規則は時間的、教育的、経済的に2重の負担です。国益でもないのでどの国でも採用しないと思います。
自活する生涯学習者、リカレント受講者、経済的弱者、社会人入学者、勤労学生には非常に不利な規定です。むしろ累積的単位取得制のほうが好都合です。こちらのほうが働きながら学べるばかりか、個性豊かな創造的な人材を育成し、日本の繁栄のためにも有利になるとの学説もあります。少子高齢化社会ではいたるところで、好きなときに学べるシステムを拡充させてほしいと思います。
大学高校中学に限らず、企業、宗教、社会団体の内部規則と個人の自由、人権擁護は、部分社会の法理をなして論争がありますが、医大の全科目再履修制は貧乏学生を著しく差別し修学困難となり、既得権、期待権、みえない知的な人権侵害、または精神的なアカデミックセクハラに思えます。
他の大学に同様な合格失効形の封建的落第制をとっている所があれば教えて下さい。又本件につきご意見、正論をお寄せ下さい。一応本人訴訟にて裁判の判断を仰ぎ、6月7日に判決が出る予定です。なお筑波大、自治医科大、防衛大は落第が少なく医師合格率も高いようですが、教育には学生の失だけでなく大学側のカりキラムや教授のあり方も大事でないでしょうか。