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落とす選挙

2002/5/24 おくびょうもん、60代以上、年金暮らし

 私は、選挙のイメージを変革すべきと考えます。
 変革とは、当選させる選挙から落とす(当選させない)選挙へ、です。
 皆さんは、選挙とは、自分の求める政策に似た政策を掲げる政党・候補者を選ぶこと、とお考えでしょう。
 しかし、違うのですよ。憲法学では、私にはよく分からないことを言ってます。私の理解では、議会の構成員(集団)を選定する行為が投票。議員は、選挙区代表でなく、「全国民の代表」(憲法43条)。したがって、選挙区とは、選挙の仕方、技術上のものです。どんな方法で選んでも、議員は、「全国民の代表」になるのです。
 これに2大政党主義(それがいいのだという価値観)がかぶせられる(規制の与党がかぶせる)。この場合の2大政党は、一方が資本主義党、他方が共産主義党には、決してならない。両主義が互いに政権を担当しあう、これってないよね。論証は、私には困難だが、封建主義政権と資本主義政権とが交互に交代しあって政治をするなんて、変だわ。概念矛盾だよ。
 そうだとすると、自民党と共産党が2大政党になる、そして、交代して政権を担当する、これもないよね。あるとしたら、互いに修正党になっているからだろう。修正方向は、ま、福祉主義でしょう。ただ、自民党は、許させるならいつも福祉削減をしたい(いやいややっている!)、共産党(社会党)は、出来るだけそれを拡大したい、この違いがある。
 2大政党は、現在は(現実には)、連立、連帯党になる。ならざるを得ない。
 まとめると、議員は、どんな方法で選定されても、「全国民の代表」である。これは動かない。2大政党の要求は、選挙区いじりとして発現する。これは、小選挙区にならざるを得ない。比例代表では、2大政党にならず、多党、その離散集合になるから。
 冒頭のわれわれの誤解、自分の政策にあった政党を選ぶ、これは、2大政党主義の下では、フィクションか、それに近い抽象的政策の選定になる、ならざるを得ない。たとえば、福祉主義か自由主義か、など。こんなの、好きか嫌いかに近いもの、もう人気投票だ。
 このようなシステムの下で、でも選挙だ、と言うのなら、その選挙とは、政権交代を図る”落とす”選挙であろう。
 名著「カルトとしての創価学会=池田大作」の著者、古川利明氏も、この本の中で、次のように言っている。

 その理由(政権交代が出来ない)をあげようと思えばいくらでもでてくる。
 一つは、小選挙区制。これは、大政党に有利に出来ている。だから野党がばらばらでは戦えない。
 そうだ、その通りだ。
 しかし、野党が本気なら野党同士で組むべきだ。このことは、小学生でもわかる足し算の問題だ。
 ちなみに、フランスのレジスタンスは、連帯して、あのナチスを崩壊させるのに寄与したではないか。
 また、中国でも、国共合作により、両者が合同して日本軍と戦ったではないか。
 これが出来ないようでは、野党に危機感がない、と言わざるを得ない。

 現与党を引きずり落とす、そのような落とす選挙の観点から、野党、とくに共産党は、最大限度譲歩をして、選挙共闘を実現すべきである。
 政策争いと言う、”こちらの水がああまいぞ”なる参加型選挙は、もう御仕舞いにしたい。