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一般投稿欄

日本における第三の選択肢とは観念論でしかない

2002/7/6 バビロン、30代、会社員

 おちあいさん、ウサギ犬さんへ、はじめにいっておきますが、私は断じて、ウナギ犬さんが仰るように、アメリカにおける「第三の選択肢」の可能性を否定しているわけではありません。むしろ、民主、共和両党以外の第三政党の躍進こそがアメリカの真の民主主義の発展のためには不可欠なのだと思っております。第三政党は連邦、州、市議会選や首長選なら、どんどん出馬して、第三の選択肢の意義を主張していくべきです。しかし私が「少数者のエゴ」といって危惧するのは、大統領選のように、その当選者によって、アメリカだけでなく全世界の未来でさえ、大きく左右する(多くの人命でさえも)ような場で、第三候補がキャスティングボードを握ってしまい、結果、より最悪なブッシュのような候補を当選させてしまうことなのです(つい先日もアフガンで、愚かなるブッシュの対テロ作戦のため、誤爆により、多数の死傷者がでました。これがブッシュでなく、ゴアであったなら、もう少し事態は変わっていたのにと思うと、どうにもやりきれません)。
 しかしながら、アメリカにおいて早急に必要な「第三の選択肢」も、私は悲しいかな、マトモな二大勢力さえ存在し得ない、現代の日本の政治情勢においては、少なくとも後、30年は必要ないだろうと感じています。私もお二方同様、世の中のあらゆる問題が、二大政治勢力だけで解決できるなどとは全く思っていませんし、二大勢力の網の目からこぼれる諸問題も多々あることも当然分かっております。しかし、なにより今必要なのは、現状の山積する大きな問題の解決なのです(それが出来ないなら、小さな問題の解決など到底無理です)。それを実現させるために必要なのが、利権保守に代わり得る改革派の結集なのです。
 お二人は「中道の保育園民営化は許せない」、「共産党のような清潔な資金の政党が有権者から認められないのはおかしい」という意見を主張しておられます。私も育児、教育などは利益優先でおこなうべきではないし、政党の資金も「薄く広く透明に」が原則だと思っています。しかしながら、一見正論ともいえる、お二方の意見も「民営化反対」、「共産党はクリーンだから一番マトモ」というところで自己完結しており、その先にある現実に対しては思考停止をしていてるようにみえるのです。その先にある現実とは、公営民営に関係なく、本当により良い保育園とは何なのかを、いろんな立場の人 達と検討しようという視点であり、共産党がいかにクリーンであっても、その資金が多くの労働者のなけなしの「血と汗と涙の結晶」であることも忘れ、コスト意識の欠けた党本部の差配のよって、無駄な使われ方をして、労働者に全く報いていないことへの批判というものが、全くないということです。お二方の意見には、絶対的理想はあっても、それをいかに実利、実質、実体へアプローチしていくかという戦略、戦術が欠如していて、そこにあるのは現実から大きく乖離した、空理、空虚、空疎な観念論でしかないのです。
 それでは理想から現実へのアプローチとはなんなのか? 例えばichitakeさんが過労死を憂える投稿をなさっていますが、その現状を改善するにはどうすれば良いかということなのです。それには当然、法や制度の改正、自治体や企業、組合、個人の過労死に対する意識変革が必要ではありませんか? しかし、首長や議員、役人、がそれを改善することに積極的でなかったらとしたら、それは実現はしません。しかし、こころある有権者が、そんな首長や議員を選挙で落選させ、それに代わる過労死を改善する意志のある候補が首長に当選し議会で多数を占め、役人の意識を変えさせれば、それは実現されるということなのです。しかしおちあいさんやウナギ犬さんは、この至極まっとううなプロセスでさえ、細かな意見の調整が出来ていない、全ての人が救われるわけがない、少数派無視である、勝つための選挙では理想を捨てると仰るんでしょうね(しかしそれでは何時までたっても何も変わらないのです)。