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幅広い共闘は必要、ただし白紙委任はできない

2002/7/10  おちあい、会社員、30代

 バビロンさん。ご回答ありがとうございます。
 私は共産党の一支持者に過ぎません。1998,2002年の区長候補選びの運動に関わった経験から発言をしています。
 バビロンさんは、どのような政治的立場なのでしょう。明らかにして議論されることを望みます。

 いくつかはっきりさせなければなりません。
 バビロンさんは、第三の道は必要ない、改革派に結集せよ。とおっしゃいます。
 改革派って何を指すのでしょう。(改革派といってもゴリゴリの反共主義者から、共産党とも共闘する柔軟な 一部の自由党までさまざまですが)
 「保守」でない、「自民党」でなければよい…ということなのでしょうか。
 改革派といっても、「福祉の拡充」を政策として取り入れた調布市・長友陣営と「行政リストラ」をかたくなに主張した中野の「改革派」とではスタンスに大きな違いがあります。
 中野区では、4年前も今回も、自民党を除く幅広い勢力の結集を目指して各政党や個人が努力をしてきました。しかしながら、政策づくりの議論の中で、改革派(右派)は 「30人学級実現はナンセンスだ」と主張することもありました。
 今回、私たちの会は「30人以下の学級を目指す」「介護保険や福祉の契約制度への転換でいまの水準が下がらないようにする」などを掲げましたが、一致点を見出すことができませんでした。私たちははじめから政党の枠組みを決めつけてはいません。異なる政治団体が共闘するためには政策で一致することがまず基本であるべきです。

 次に共闘のあり方についてです。共闘とは対等平等が原則ではありませんか。
 一方が相手方に全面的に政策を一任するものではないはずです。お互い妥協できるものは妥協し譲り合って政策をつくるのがあるべき姿ではありませんか。

 バビロンさんは、保守より「改革派」がよりましであるといいます。
 武蔵村山市に志々田浩太郎という27歳で市長に当選した松下政経塾出身の「市民的改革派」市長がいました。彼は徳洲会病院と深く関わりすぎたため市民の不信を招き選挙で落選 してしまいました。
 多摩市に鈴木邦彦という「改革派」市長がいました。「自民党、保守の政治を抜本的に変える」と主張して当選した鈴木氏でしたが、ごみ処理業者からの賄賂を受け取りあえなく政治生命を失いました。「改革派」は本当に手放しで支持できるものなのですか、「改革派」は「保守」よりまし…という考え方もまた「観念論」ではありませんか。

 バビロンさんは中道改革派は現実的な「改革」を目指しているとおっしゃいます。
 論点は いくつも指摘できるのですが、今回は労働問題に絞ります。1998年、サラリーマンの労働時間の上限撤廃を内容とする「労働基準法改正案」に民主党は賛成しました。長時間労働を取り締まる法律を緩和してどうして「過労死」が無くせるのでしょうか。とても現実的な対応とは思えません。

 「改革派」のみなさんは、行政サービスの民間委託に積極的ですが、委託先の労働者のことはお考えになったことはあるのでしょうか。東京都の東部のある区で、委託された保育園の保育士が、使用者の恣意によって解雇されています。委託先の労働者が不当な低賃金で働かされたり、解雇されたりすることは問題ではないのですか。

 行政の委託問題で神戸市議会新社会党議員団の特筆すべき取り組みがあります。
 神戸市の新社会党は、市議会の質問の中で、「市が発注する委託先の賃金が地域の平均的な賃金・労働条件を引き下げるものであってはならない(ILO条約第94号で規定されている)と、市側に委託先の労働条件確保を求めています。委託先の労働者を視野に入れた取り組みをしている神戸市新社会党は正しい感覚を持っていると思います。
行政のコスト意識ももちろん大事ですが、だからといって委託先の労働者が不当解雇や著しい低賃金で働かせられていることを放置、無視する…という態度はとても「良識ある市民」の態度とは思えません。

 バビロンさんの論旨にはブレがあるようです。6月18日の「第三の候補がより大きな災難を招く」が本意なのか、7月6日の「アメリカにおける第三の道の可能性を否定しているわけではない」が本意なのか。
 バビロンさんは、共産党や市場原理に疑問を持つグループが候補を立てると、「改革派」候補が当選できなくなるから候補を擁立するな、福祉重視は時代遅れだから、「改革派」に白紙委任して協力せよ…というのが本音なのではありませんか。政策はいいから共闘せよというのは一方的な話です。共産党や新社会党が「白紙委任」で「改革派」に協力することは結果として有権者を裏切ることにつながると考えます。