1.水質問題
ダムが水質を悪くするというのはかなりの誤解です。
ダムに遊びに来た人がゴミを捨てたりおしっこをしたというのであれば間接的にダムが水質を悪くしたことになりますが、それ以外であれば、ダム自体は水質を悪くしません。
水質が悪く見えるのは、ダムに流れ込む川が汚れているのです。
なんだか禅問答のようで、ご気分を悪くされたかと思いますが、そのとおりですよね。
ダム自体はその運用に伴う廃水は出さないのです。
たぶん、うなぎ犬さんは貯水池に発生する植物プランクトン(アオコ)のことを水質の悪さにたとえていると思います。
確かにこれは臭いもしますし味もします。
この原因のほとんどは人間にあります。
この植物プランクトン(アオコ)は、雨が降ったすぐの、要するに蒸留水には、いくらダムでためたとしても発生いたしません。
ではなぜ、 植物プランクトン(アオコ)が出るのか。
川の中にリン(P)窒素(N)等の栄養塩があるからです。
なぜ栄養塩が出るのか?
上流に人が住み、生活をし、経済活動をするからです。
つまり、洗濯をする、風呂に入る、食器を洗う、それから、農地に肥料をやる、畜産廃水を流す等々。(工業廃水もあるかもしれませんが、大きな工場は規制が厳しい)
確かに森林からしみ出す栄養塩もあります。
がしかし、やはり影響が大きいのは、人間の出すものです。
植物プランクトン(アオコ)は生態系の一部です。
動物プランクトンの餌になりますし、それもまた魚の餌になり、鳥の餌になり、その糞や死骸は木々の栄養塩になります。
食物連鎖による自然浄化の一部なのです。
しかしなにせ植物プランクトン(アオコ)の増殖は倍々ゲームで早すぎます。
だからバランスを崩すのです。
ダムが無く川の状態になっていれば気づきませんが、海で赤潮などにもなります。
ならないとしても薄まっているだけなのです。
人間は自然に対して大きな負荷をかけています。
台所から食べ物かすや油を流さない。
下水はきっちり3次処理まで行う。(ポリ塩化アルミニウム等の凝集剤を使う)
肥料は植物が使う分だけ。(難しいですが・・化学肥料は安いため安全なよう沢山使うらしい)
畜産廃水もちゃんと処理する。
農業問題になりますが、昔は糞便を分解して肥料にリサイクルしていた。
今は糞便を川に流し肥料もながずダブルパンチです。
昔に戻せと農家の人にいうのは酷なことです。
まあ、このようなことを徹底すればダムがあっても水質が悪くなりません。
時間がないので分割掲載願います。
次回は浚渫について。