忙しい合間を縫って丁寧な回答、ありがとうございました。
しかし残念ながら、内容については納得できかねない部分がありましたので、再反論させて頂きます。
確かに水質汚染に一番荷担しているのは人間です。
それはかわたろうさんの言う通りだと思います。
しかし生活地域の下流を川のままにしておくのか、ダム・堰を作って流れをせき止めるかで、水質に大きな違いが出てくるのは確かではないでしょうか。
リンや窒素が植物プランクトンの栄養源になっていると、かわたろうさんも書きました。
川のように流れがある場合と、ダム湖のように流れが滞ってる場合では、後者の方がプランクトンの増殖が著しく激しくなる危険性が高いと思います。
異常増殖したプランクトンが死滅して、その死骸が水質を汚染する危険性は無視することができません。
「ダムが無い場合はリンや窒素は海に流れこんで、そこで赤潮を起こしている」というかわたろうさんの主張も、私には納得できません。
私は河口付近などで起こる赤潮被害は、ダム上流よりむしろ下流域での都市による影響が大きいと思います。
川はおそらく、リンや窒素をただ海に運ぶだけのパイプではなく、腸のように分解・吸収を促進する場所になってるのではないでしょうか。
もちろん下水処理を徹底させようという、かわたろうさんへの意見には私も賛成です。
ただダムというのは、流れを殺してしまうことで汚染を進行させる場所になってると私は思うのです。
そのマイナス面はやはり考えないといけないだろうと思います。
上流に人間が住んでない場合はどうでしょうか。
こちらは人間が住んでる場合に比べれば、確かにかわたろうさんの言っているように、はるかにマシであろうとは思います。
でも水質汚染が無いかというと、そういう訳でもないだろうと思うのです。
例えば貯水池に溜まる落ち葉の問題です。
ダムが無い場合は、川に落ちた落ち葉は分散され、おのおのに分解されてゆきます。
しかしダムの底に溜まった落ち葉は分解されず、泥化してゆくと聞いたことが私はあります。
ダムはおそらく、通常は水面上部の濁りのない部分を放流して、影響を少なくしているんだろうと思います(それでも深刻な影響を受ける生物種はいると思いますが)。
しかし長雨などによって、大量の水を放出する際には、はたしてこの泥化された部分を流さずにすむのかどうか。
私はそこらへんも疑っています。
それと、私がダム建設の問題点を扱ったテレビ番組を見ていて、一番「ひどい」と思ったのが、定期的にダムの下層部分から放水して、溜まったヘドロ状の土砂を廃棄している問題です。
この方法が一般的に土砂の浚渫に使われてるのか、あるいは現在作ろうとしているダムにも使われようとしているのか、それは知りません。
しかしこの方法が、あまりにもひどい方法であることは確かです。
これはもう、ダムのありようを問う以前の問題だろうと私は思います。
どこのダムかは忘れてしまいましたが、間違い無く日本のダムなのです。
この問題についてだけは、全否定されなくてはならないだろうと思います。
それとこれはアメリカのことなんですが、「水質汚染防止法」という法律によって、ダム建設が中止になった事例というのを、何かの雑誌で読んだことがあります。
もし本当にダムが水質汚染に寄与していないのなら、例え外国のこととは言え、こんなことが起こるとは思えないのですが…
本当にかわたろうさんは、ダムと水質汚染は別問題と思っているのでしょうか。
確かに建設側の人間なのですから、マイナス面を強調することが出来ないといことは、理解できます。
しかし公共事業というのは全体の幸せを考えなければいけないのでは、とも思ってしまうのです。
建設側の苦労を知りもしないで、生意気を言ってることについてはお詫びします。