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公務員賃金を語る前に

2002/8/21 みちじろう、30代、賃金労働者

 公務員賃金が議論になっています。なかなか難しいところです。
 私が議論の前提にしたいことは

1、日本の賃金は高くない
 マスコミ学者の通説とは異なりますが、日本の賃金を購買力平価(為替レートの比較ではなく実際に生活に必要とする物価の総合で比較)すると、 日本を100とするとアメリカは143、ドイツは173となります。ですから、日本の労働者は「せめてアメリカなみの賃金を」と主張して賃上げを要求すべきところです。

2、日本の公務員は多くない
 各国の公務員(国+地方+特殊法人)は人口千人あたり、日本が35,9人、ドイツ58,8人、アメリカ66,7人です。
 人手によるサービスが主体の福祉、医療労働は特に過酷で、諸外国の1/3~1/5の人数で働くことを余儀なくされています。病院では厳しい定数 管理から法律で定められた育児休業すら取れていません。「看護婦を増やして」という運動があることは知られているところです。

3、日本の労働条件一般が悪化している
 サービス残業という名の超過勤務代金のピンはねが連合の調査でも55%の労働者であることが判明しています。そして、成果主義と称してノルマが重くなったり、一方的な整理解雇がまかり通っています。長時間労働による過労死も減る傾向にありません。

 公務員をバッシングして溜飲を下げる人も多いのでしょうが、公務員の賃金、労働条件を引き下げると回りまわって日本の労働者全体の労働条件を引き下げることにつながります。(来年の春闘にはまちがいなく悪影響を及ぼします)公務であろうと、民間であろうと、適正な賃金を支給する。 超過勤務代金は払う。法定労働時間を守る。こうした当たり前のことを守らせる(この当たり前のことが日本では難しいのですが)このことを基本にすべきです。日本の労働者が「人たるに値する」労働条件で働くことができることを議論の前提としなければなりません。
 賃金は踏み倒す、労働時間は無制限…でよいという話では議論になりません。