人事院による公務員給与引き下げ勧告をめぐって、論議の中心が形成されようとしています。
大いに歓迎したいと思います。
この掲示板では、反対かないしはそのような論議以前の問題が大きいとの指摘が多いようです。
わたしは、
1)公務労働が本当に国民のために効率的に役立っているのかどうか検証すべき。
2)公務員労働の量と質から考えて、その報酬は妥当かどうか再検討すべき、特に年功序列賃金は廃止されるべき、
*その結果、公務員給与などが、総体として引き下げられるとしたら、それは当然で促進すべきだろう。
との意見を書きこみました。
8/21にみちじろうさんは、公務員賃金を語る前に、と題して書きこみをなさいました。
その真面目さを疑うものではありませんが、なぜ、「語る前に」なのでしょうか? 同時に語っていただければよいのはないでしょうか。
「日本の賃金は高くない」購買力平価でアメリカやヨーロッパと比較してそう語っていらっしゃいます。それがどうしたのですか。
アメリカやヨーロッパより高くないから、「公務員給与」を引き下げなくてもよい、という理屈がわかりません。
なぜ、アメリカやヨーロッパより実質賃金が低いのか、の分析が必要ということ、その比較して高くない賃金にもかかわらず、日本の国内での中小未組織企業労働者・不安定雇用労働者との、あまりに大きな格差が存在することこそ問題にすべきでしょう。
「日本の公務員は多くない」これもアメリカやヨーロッパと比較なさっています。よくわかりませんが、特殊法人や政府系公益法人などを入れてもそう言えるのかどうかわかりません。まして、わたしは、日本の公務員が多いかどうかを論じているのではありません。国民の役に効率的に役立っているのかどうか、そしてその報酬は、公務員労働の質と量から妥当性があるのかどうかを問題にしているのです。看護士さんの過酷な労働を引合いに出して、公務員労働全体の現状を擁護しようというのはフェアではなく、看護士さんに対しても失礼だと思います。
看護士さんなどの定員の増加や労働条件の改善、公務員の若年層の低賃金構造、ある年齢以降の出向(天下り)制度、などは是正されねばならない、と思います。
「日本の労働条件一般が悪化している」公務であろうと民間であろうと(サービス残業などをなくし)適性な賃金が支給されるべきと主張なさっています。わたしがお聞きしているのは、年功序列を基本とする公務員賃金体系が「適正な賃金か」を問うているのです。
勿論、民間でも同様です。が、公務員賃金は税金です。真っ先に是正されるべきではないでしょうか。よい意味で、民間に影響を与えていただきたいと思います。
「公務員の賃金を引き下げると、まわり回って、日本の労働者全体の労働条件を引き下げる」と主張なさっています。何の根拠をもってそうおっしゃるのですか? くどいようですが、中小未組織企業労働者・不安定雇用労働者の賃金労働条件は、すでに十分低いですよ。公務員の相対的に恵まれた賃金待遇のおかげで、中小未組織企業労働者・不安定雇用労働者の賃金労働条件が維持・向上されているなどとはまったく思いません。公共工事などもっと大きな原因があるとはいえ、財政赤字を膨らませ、下層勤労者の上に胡座をかいているというのが実体ではないのでしょうか。
みちじろうさんの善意を十分理解したうえで、「はじめに公務員既得権擁護ありき」を感じざるを得ません。
共産党、新社会党、社民党など革新政党にも感じるのですが、極めて保守的な政治だと思います。
危機は、いままでの価値観ややり方の破綻を物語っており、価値観ややり方の変革を求めているのです。
これに立ち向かうのが、わたしたちの役割だと思います。
展望台さん、誠実なご意見有難うございます。
わたしの意見は、一般的な公務員給与の引き下げへの賛成ではない、と自負しています。
2つだけ指摘させていただきます。
1)横柄やずぼらな人間は、どこにでいる、とおっしゃいます。
その通りです。しかし、公務員ではそういう人達も守られており、民間では基本的に「正当な待遇」を受けるのです。
2)労働の質や意欲を高めるために賃金体系をいじくって刺激をしようとするのは下策、とおっしゃいますが、なぜでしょうか。
実は深い問題なのでしょうが、わたしにはわかりません。
こうした構造の改革のために、野党共闘・革新共闘の課題も引き続き論議し、発展させ、実現させていただきたいものです。