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ダム問題(浚渫・放流)ウナギ犬さんへ回答

2002/8/5 かわたろう、30代、労働者

 間延びしていてすみません。なかなかパソコンに向かう時間が無くて・・・(言い訳ですが・・・・・)
 はじめでごらんになった方は以下をご参照ください。

7/20 ダムって本当に悪いの(かわたろう)
7/22 ダムの問題点って、相当あるように思えるのですが…(ウナギ犬)
7/22 ダム問題」かわたろうさんに同感(展望台)
7/23 かわたろうさんへ(ヤス)
7/26 ダム・ご意見ありがとうございます(かわたろう)
7/29 公共工事について、本当に考えなければならない事(新谷)
8/ 1 公共工事と入札について。7/29新谷さんに関連して(ichitake)
8/ 1 利権のための公共事業と見えるのは・・・(かわたろう)
8/ 1 ダム問題(水質について)ウナギ犬さんへ回答(かわたろう)

 前回は水質問題でしたが、今回は浚渫についてお答えいたします。なんだか質問に対する順番が違うようですが、決して答えられないからではありませんので、ご了承願います。

2.浚渫について
 河川改修の手法として私が掲げた、堤防嵩上げ・引堤に同じく値する河床浚渫についてです。

 うなぎ犬さんの言うとおりこれは河川改修の有効な手段の1つです。

 ただ、河床を掘り下げるというのは、海抜が0mで川と海が繋がっていることからわかるとおり、川の上流・中流でこれを行うと、その下流にしわ寄せがいきます。(川が突然滝になっている場合を除けばってそんな川は日本にはないですね。)

 浚渫したはいいが下流が浸水では困ります。

 現実的に河川の中流部などは浚渫などしなくとも、河床の低下が起こり問題となっています。これは自然の摂理なのですね。

 川が流れれば自然に河床は低くなるものです。グランドキャニオンがああなったのはそのせいです。

 それから河床を掘り下げることにより、洪水に対してはいいのですが、利水に対しては取水が出来ない等、問題が発生します。

 これで必要になるのが「可動堰」なのです。ダムは反対で可動堰に賛成という方いらっしゃいますか? (これが長良川河口堰であり吉野川第10堰なのです吉野川第10堰など今ある堰を可動堰に変えるだけなのになぜ反対するのかその気持ちがわかりませんし、地元以外の人は今ある堰のことを知っているのかが疑問です。)

 昔の人は水を使うため堰を設けました。それは10年に8年くらいは有効でしょうが、いざ洪水となるといくら河床浚渫をしても河川の流れを妨げるもののほかにはなりません。

 ですから治水利水どちらにも有効になるよう可動堰をもうけるのです。

 下流部は海との合流により、流速が無くなるため土砂が堆積し河口閉塞がおこります。

 コップに土と水を入れかき回すと土砂は浮いていますが、水が落ち着いて流速がなくなると土が堆積するでしょ。それが河口部で起こって川の水を海に流しきれないことがあります。

 ですから河口の浚渫は必要です。しかし河口を掘り下げると比重の重い海水が入ってきます。昔の人は汐留堤といった堰を造っていました。 当然可動堰など造る技術はないので、洪水時の妨げになっています。

 このことから、河川管理者は洪水を防ぐため、また下流の利水をまかなうため、河川の計画断面を制定しています。100年に一度の洪水に対する整備計画を持っているのです。

 ですからその計画の中で、川を掘る、引堤をする、堤防嵩上げをする、これらは確かに降った雨(淡水)を海に捨てることに対しては有効でしょうが、せっかくこの急峻な島国に降った淡水が使えなくなります。

 ですからダムも造るでしょうし、可動堰も造る、すべてが一番安くなり人々を始め生態系にダメージをなるべく与えないよう計画されているのです。

 またこの件に関して最後に1つ、川は上流から下流まで左右岸のを数百キロ完璧に改修しないと河川改修が有効に働きません。

 いくら直しても未改修のところが次々壊れます。災害に数百億かけたとしても、災害復旧費というのは壊れたところにしかつきませんので、 昔はそこが壊れていたからこちらが壊れないということがあったのですが、直したところが壊れないため新たな災害が発生します。

 河川を線で直すとすれば、ダムは点で水自体を押さえています。また押さえた水は発電・水道・農業・工業、下流の河川維持その他有効に活用できるのです。

 淡水をただ海に流すのか、大洪水を恵みの水として利用してしまうかが、ダム要・不要の論点にならないのでしょうか。

 つぎに
3.放流について
 入ってきた流量より多く出さないことだけでいいはずがありません。

 ダムの放流には下流の水位が急激に変化しないよう決まりがもうけられています。つまりダムがある以前よりも、なおかつ河川水位の変化を小さくすることが、義務づけられています。

 小さな水を大きな水が追うということがあります。ですからダム管理者はそのようなことにならないよう水理計算で求められた(ダム完成後は実測で検証)段階的な放流を行なっています。

 また下流に対する警報も行っていますので、自然な状態よりも川で遊んでいる人たちを救っていることがデータとしてあります。

 また昔のダムは外国製のおおざっぱなゲートしか付けていないところもありましたが、(パーシャル無し)施設の改良により解消されています。

 本日はこの辺で失礼いたします。次回は緑のダムについて回答いたします。