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長野県知事選挙とメディア操作

2002/9/2 ウナギ犬、20代、無職

 長野県知事選挙、田中康夫氏が再選されて、私個人は嬉しく思っています。
 しかしその圧倒的得票数の一部には、おそらくは小泉人気・石原人気と同質のものが含まれているように思えます。
 それでも全国的に見て、長野県民の政治意識は比較的に高いのだと思いますが。
 政治家に下駄を預けない、有権者が政治家の手綱を取ろうとする意識、それをもっと育て上げないといけないと思います。

 それはさておき、私が今回の選挙報道を見て思ったのは、胡散臭い情報操作の臭いがぷんぷんする、ということです。
 「田中知事はもっと議会と歩み寄らなければいけない」「スムーズな議会運営を」という、議会側に非常に都合の良い情報が繰り返し流されていました。
 その見方をしている県民も確かにいることでしょう。
 しかし不条理に思うのは、「田中知事は議会=抵抗勢力に妥協するな」という声が、全く取り上げられないことです。
 本当に、私が見ている限りは完全にゼロでした(筑紫哲也がちらっと私的に述べていたかも)。

 私は自民党政治で育った小泉首相よりも、田中知事の方にこそ『VS抵抗勢力』という図式を感じます。
 小泉首相のことはさておき、田中知事に『VS抵抗勢力』を期待している長野県民は、沢山いるんじゃないでしょうか。
 私は、今回の田中知事再選という結果は「しようがない」と諦め、そのかわり「再選しても田中氏の改革の勢いを削ごう」という、陰湿な意志の存在を思わざるを得ません。
 再選された後に、田中知事がまたもや県議会と衝突したときには、「またまた田中知事が県議会と衝突!やはり田中知事には人間的欠陥があるのでは?」というバッシングを、マスコミがこぞってするような気がします。
 対立候補の長谷川氏を「組織選挙の限界」と、一見公平に評するのも、負けを見越したアリバイ作りではないでしょうか。

 テレビ番組全体にこうした情報操作が行なわれているところを見ると、この長野県の流れは長野県議会&業界だけでなく、中央の自民党にとっても非常に危機感の対象なんだな、と思います。
 私たち有権者からすると、希望がそれだけ大きいということでしょうか。
 しかし田中康夫は1人しかいないのだから、有名人でなくても情勢をひっくり返す政治・選挙を目指さなければいけないでしょうね。
 「有名人だから注目する」とか、「面白くないから政治は見ない」という考えのままなら、結局自民党的な政治は覆せないと思います。

 それとは別に、共産党を含む革新派も、もっと「人目を惹こう」という宣伝・情報戦略を持たなければいけないと思います。
 私自身の経験からすると、地元の共産党は、ビラまき・広報車を使った宣伝方法に対し、「もっと宣伝効果を追求しよう、新しいアイデアを出そう」という意欲が少なすぎると感じています。
 私はせっかくこれだけの数の支部があるなら、情報交換をして、他支部の良いアイデアは積極的に自分の支部でも試してみるべきだと思います。
 良く実態は知らないのですが、共産党は上下間の繋がりに比べて、横の繋がりが弱いように感じます。
 私は共産党の潔癖さは、モラル破綻したこの社会で、爆発的に支持される要素になりうると思うのです。
 ただ、それを知ってもらうための情報戦略・宣伝力が、決定的に不足していると思うのですが。