日朝首脳会談で、金正日自らが、拉致問題のみならず不審船問題についても「事実」として認め、「謝罪」していると報じられているというのに、本間さんは「長々と」何を言いたくて書いているのだろう?
本間さんの意図が何であれ、こういう言い方が、日本の左翼・革新勢力の国民からの遊離を作ってきた原因となってきたのだと糾弾せざるをえない。
わたし自身、今回の日朝首脳会談で出てきた「事実」について、そのすべてを手放しで承認するものではない。
しかし、事実は「事実」として認めたうえで、究明や議論をすべきではないだろうか。
そして、むしろ悲しいのは、日朝首脳会談で出てきた「事実」よりも、真実は、さらに酷いものであろうという予測である。
わたしは、ブント系怒涛派で若い頃活動していたが、自分の活動経歴の中でも、金日成主義者の運動と組織には不審なことが多くあり、官僚的で実証できず、宗教的な忠誠を求められていると思っていた。悲しいかな、全く信用できない運動、組織、人々であった。
そういう組織・運動とも癒着する新左翼の運動に訣別したというのが、わたしの活動の根幹を形成している。
わたしは、この7月の党大会で、新社会党を離党したが、新社会党内では、一貫して、小森・上野原理主義指導部と闘い、非武装中立路線と北朝鮮などの独裁重武装路線への盲目的な支持との矛盾を追及し糾弾してきた。
しかし、今、わたしは、新社会党に在籍していたと言う事実をもって、今、周囲から一定の批判を浴びている。
その多くの「言いがかり」には毅然として反撃しているが、新社会党が「拉致問題」も「不審船問題」も「テポドン問題」もまったく無視して、実質的にきた朝鮮の蛮行を支持・容認してきた「事実」に関して、当時、党にいた人間として、糾弾はし変革しようとはしたがそれを変えられなかった責を痛感している。
その観点から言っても、
1、「拉致問題」「不審船問題」を糾弾しない新社会党の声明は、犯罪的であり、党指導部の全面的な自己批判と辞任が求められているのであり、
2、社民党は、「動揺動転」し、「朝鮮労働党」に抗議すると言っているようだが、それと同時に、そういた態度をとってきた党の体質の改革と責任ある党幹部の自己批判・更迭が求められているのであり、
3、共産党は、朝鮮労働党(や朝鮮総連)との対立という「筋」を通してきたとは言うものの、なぜ、拉致者の真相究明や救出にもっと力を入れなかったのか、また、今回の事件での赤旗記事でも、いたずらに「歓迎」色に染め上げようとするのか、国民の理解はなかなか得られないのではないか。
共産党こそ、政府・外務省・北朝鮮糾弾の先頭に立つべきではないのか。
そうした認識と闘いを踏まえたうえで言いたいのは、日本国内の経済危機・国民生活の崩壊の危機を、小泉自・公・保政権をして、北朝鮮問題で誤魔化させるな、ということである。
そのためにも、「わたしたち」は真摯でなければならないであろう。