アフガン侵略に対する共産党の態度について討論が起こっている。
アフガン侵略に対して共産党が民族自決権をといて侵略に同調しなかったことは、よく知られている。その点誰も侵略に賛成したといってはいない。しかし、共産党とその配下の平和団体は声明を何度か発表しただけで、何も行動を起こさなかったのは大問題で、そのことが冷戦後の新しい平和運動の展開(地雷撤去やNPOなどのアフガンでの活動)に共産党も共産党系平和団体も対応できていないことの原因となった。アフガン侵略に対してなぜソ連に遠慮したかは、共産党史の年表を見れば誰でも想像できる。参考に略年表を載せておくから、これをみて共産党員の人は自分の常識を点検してほしい。ついでに、中国・朝鮮の党とも友党になろうとし、民主主義について口をつむぎだしているからこれは昔話ではない。もっとも私は、共産党の平和運動論は社会主義=平和勢力論に立っていたから現代ではまったく通用しないと思っている(参加者の善意を疑うものではないが)。これまでの社会主義が収容所と不可分であったことに見られるように社会主義と人権は相容れない面が強い。
〔略年表〕
1979.12.15~25 宮本代表団訪ソ、干渉問題を解決し共同声明
12.27 アフガニスタンにソ連軍介入
12.28 ソ連大使館員 カルマル政権の要請で軍隊出動とソ共中央委の通報を伝達
1.10 常幹声明「アフガニスタンの事態について」記者会見で発表
アフガン侵略に同意できないし、かといってせっかく復交したソ連共産党との関係も維持したいという苦労がよく出ている。両党会談で話が出されなかったことが一点、通報に対して反対ないし抗議の返事をしていないことが二点目。
79.2 中国のベトナム侵攻
83.10 ラングーン事件
このころ、第三インターにはじまる国際共産主義運動は終焉したと判断すべきだろう。