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拉致疑惑

2002/9/28 あとむ、30代

 最近ニュースをにぎわせている拉致事件。昨日のニュースで北朝鮮の兵士が日本も戦争中に朝鮮人を600万人拉致した。と発言した。
 そういわれるとそうだなあ、という感じもする。戦争中だからと許されるということではない。中国人もたくさん拉致した。時々数を問題にする議論もあるがこの際数はどうでもいい。強制的であったかどうか?が問題であって一人でもそういう事実があればこれは大問題だ。
 また主権侵害が論点になる場合もある。併合中=日本だったのだから日本人の自由意志にもとづいて出稼ぎに来ていたのだから強制ではないという議論もある。
 そして過酷な労働の末、無縁仏として適当に葬り去られた。
 このこと自体はたとえ自国民でも許されることではないし、果たしてこれが本来の労働であったのかどうかも問題である。しかしだから拉致してもいいという話にはならないのは当たり前なのだが、戦争被害者の当事者意識というものが垣間見られている。

 行政当局の政治決着としては賠償請求なしとすることは簡単なのだろうが、意識に蓋をすることはできないのだから、それをどうするのかそれこそ行政の責任だろう。戦争加害者の子供を大事に育ててくれるような中国人にはそれこそ頭が下がる。朝鮮人はそういうことこそないのだが、米ソ対立や冷戦構造の中で置き去りにされてきたセンシティヴな問題が今浮上してきているのではないか? コメと引き換えに人質が帰ってくるという構図はきっとありうるし簡単な解決の方法なのだろうがそれではそれこそ近くて遠い国であり続けることは必至だ。朝鮮労働党政権の維持が朝鮮国内にしても小泉政権維持もためにも必要だから利用されているのであって経済協力よりもむしろ歴史を反省する謝罪こそが垣根を低くするのではないだろうか?

 金一族の独裁王国。などというのはマスコミが良く使う構図だ。それはそれで正しい一面を反映しているかもしれない。
 しかしそれを言われると日本人はそれほど強く反論できるのだろうかと疑問を感じる。戦前の日本だって天皇絶対主義だったし、最近まで企業絶対主義だったではないのかと思うからである。
 うそかほんとかは別にして大本営発表というのは過去も現在も良く信用されているし、戦争中なんて実際負けていたのに勝っていたかのように発表されていたのだし。今でも経済は回復傾向にあるといわれている。そんなの誰が信じるかと思うが、実体経済とは別に経済活動がそうした大本営発表にもとづいて行われているのは一つの事実であろうと思う。
 そうした日本が朝鮮の独裁をただ単に独裁であること情報操作されていることだけをもって批判できうるのかという疑問は残る。結局拉致そのものが疑惑であろうが、事実だろうがそれぞれの政権の思惑が合致した方向で利用されているだけだと思う。解決しようなどということは決して思われてなく、ただ単に外交上のカードとしての拉致疑惑なのであり駆け引きの道具にされているだけである。だから結局これもいままでの外交課題の解決の方法と同じく国交樹立の道ができれば葬り去られるだけである。金一族の独裁国家が国際社会で生き延び続けるだけであり、難民が日本国内に流入するのを防ぎ国内の経済が混乱しないようにして小泉政権維持が図られるだけである。日朝の垣根は高いままであり、疑惑も解決されない。アメリカはちょっと趣きが違うけど結局アフガニスタン問題にしろビンラディンはまだ生きたままだし金一族もイランの後に攻撃されてもフィリピンのように国外逃亡させるのがせいぜいだろう。こうして国民不在の外交はどこまでも続いていくのである。おわり。