日ごとに小泉訪朝外交の成果をたたえる声が大きくなっていく。今後もこの傾向が強まるだろう。共産党も「強く」支持と、一面トップで今回の外交の成果を”左から”強く支えた。
かの南京事件は、関東軍の内部の青年将校たちの「跳ね上がり」行為であったように、今回の拉致行為も一部極左の跳ね上がりであった、この総括でいいものだろうか?
人の命は、1個と100万個とは等価でなければならない。とすれば、かって、関東軍将校連中の跳ね上がりで、北朝鮮人民の100万個の人命を奪ったとせよ。そうだとしても、戦後北朝鮮が8個の人命を奪ったことは、それと等価の人民侵害行為だあろう。ならば、連中のいう戦争責任=賠償は、連中自身が請求資格を失った、と言うべきだ。言葉はよくないが、これで国家レベルの責任=賠償は、相殺により帳消しである。
共産党の「強い」支持の中身が戦争責任=賠償を果たすことにあるとすれば、そこには、100万人の命>1人の命と言う全体主義的価値観があるからであろう。
ブッシュ政権は、金政権に核査察を受け入れさせることが可能になり、かくて、アメリカによる核兵器の独占の実現が出来るようになるとして、小泉外交を評価するだろう。当面の侵略戦争相手であるイラクを孤立させる意義もあろう。
その他、評論家一般の評価は、次のようになろう;
首脳会談の成果は、日本や国際社会が求めてきた北朝鮮に対する要求はほぼ網羅されたおり、外交という意味合いでは120点を付けてもいいほどの内容だった。問題は北朝鮮が今後この日朝合意を誠実に順守するかどうかだが、小泉訪朝が北朝鮮の孤立政策に風穴をあけたことは間違いない。テロ国家としての北朝鮮が、自ら過去における数々のテロの存在を認め、さらに謝罪したということは大変な覚悟であったということだけは強調しておきたい(晩番報9/18伴氏からの引用)
ところで、韓国新聞中央日報によると、1兆円規模の経済援助が始まるだろうとしている。何のための援助か?
人道的支援か? 援助に名を借りた景気対策なのか?
初めに経済効果目的ありき、国交回復ありきであり、この動きのもと、拉致問題は「小さな問題」(金書記長)である、とされてしまっている。