朝日首脳会談で、いわゆる拉致問題について明らかにされた。そのことについて朝鮮を非難する排外主義世論が高まり、この掲示板にも朝鮮を非難する人がいる。しかし根本的な問題は、長年にわたる朝日の敵対関係であり、その原因は日帝が歴史の清算を拒否してきたことである。
日帝は朝鮮を「併合」して奴隷化した。朝鮮民族は抗日戦争を戦って1945年に光復(独立)をかちとった。しかし1948年に米帝により朝鮮は分断され、1950年から1953年の米日の朝鮮侵略戦争により朝鮮分断は固定化された。米日帝は南半部を反共の城塞とし北半部に敵対し、朝鮮抹殺策動をすすめてきたのである。日帝は植民地支配に対して何らの賠償も行わず、逆に朝鮮敵対政策を進めて朝鮮に対して莫大な軍事費の支出を強制してきた。このこと自体が決して許されない国家犯罪である。
米日帝の包囲と朝鮮抹殺策動のもとで、やむを得ず朝鮮はさまざまな特殊作戦を行った。その一つが日本人拉致である。たしかに無辜の民間人を拉致するということは良いことではない。しかし米日帝の包囲という極限状態で起こったことであり、本質的には正当防衛あるいは緊急避難であるといえる。全責任は日帝にあり、朝鮮を非難すべき事柄ではない。日帝に強制連行された朝鮮人(特に性奴隷)の数に比べれば無に等しい被害者数である。
朝日首脳会談では、朝鮮側が対日賠償請求を放棄し、「経済協力」方式を受け入れた。私にとってはこれが最大の衝撃であり、悔し涙を止めることができなかった。一国社会主義のスターリン主義官僚が帝国主義に屈服するのは必然であるとはいえ、ここまであっさりと屈服するとは信じられなかった。謝罪と賠償を拒否しつづけ、ついに「経済協力」という新たな侵略を押し付けた日帝は新たな歴史的犯罪に手を染めた。そしてそれを阻止することができなかった日本人民は再び深刻な反省を行わなくてはならない。
一部の楽観論者は、これで朝日の新たな関係への展望が開けたかのように肯定的に評価している。しかしこれは根本的に誤った評価である。朝日首脳会談の本質は、朝鮮が米日帝に屈服し、「経済協力」という新たな侵略を受け入れたことにある。米日帝は硬軟両面の戦術を使い分け、再び朝鮮を奴隷化しようとしているのである。
日本人民は、この痛苦の事態を深刻に受け止める必要がある。革命的祖国敗北主義の立場を再確認し、「経済協力」粉砕と全面的な謝罪・賠償の実現にむけて、また朝鮮侵略と台湾独立(中国侵略)を標的とした有事立法の粉砕へむけて、血債をかけて闘おう。