投稿する トップページ ヘルプ

一般投稿欄

ichitakeさん、ありがとうございます

2002/10/30 赤旗読者Y、40代、編集者

 ichitakeさん、私の初めての投稿「公務員と日本共産党」に反応を示して下さってありがとうございます。
 今回、特段の理論を引っさげて投稿したわけでもなく、自分の身の回りで確認できた事実の中から、感想にも似た主張をしただけでしたが、何の反応もないので、私のような政治活動と無縁の人物が登場する場所ではなかったか? と思っていたところでした。
 しかし、素人の投稿を掲載して下さったホームページ管理者の方々の心の広さに感謝すると同時に、みなさんが真剣に政治を考えていることも分かり、少し喜んではいました。
 さて、ichitakeさんが分析しておられる通り、今の革新運動や労働運動に迫力がないのは、結局、自分の既得権だけは別だという前提で、何についても他人事の議論がまかり通っていることに大きな原因があるのではないか・・そう感じています。
 私のように、特定の企業に属さず、自分の工夫と知力・体力だけで生きている労働者(編集者)からすると、店で一杯飲みながら「住宅ローンがきつくて」とか「ベースアップがなくて」などとぼやいているサラリーマンを見ると、こんなのを雇っている会社は大変だなあ・・と経営者に同情してしまいます。
 私はこの3年、同窓会や忘年会以外、外で飲んだことはありません。そんな余分なお金は使いたくないし、時間も無駄だからです。
 そんな時間に、優秀な経営者は勉強するでしょうし、自分の将来に不安を感じている労働者も、将来に備えた行動を取るでしょう。
 おそらく、こんな、ぼやくだけのサラリーマンは、企業経営の立場に立つことも、労働運動の先頭に立つこともなく、自分がいわゆる「ぶら下がり人間」であることを恥ずることもなく、のんきに生きて行きたいのでしょう。
 しかし、日本の戦後の高度成長が、こういった人間を大量生産したのも事実なのです。実際、多くの先輩達が、焼け跡の中で会社を起こし、組合を立ち上げて権利を勝ち取り、技術を身につけ、世界でも一目置かれるところまで来たと思ったら、その後から出てきた世代の人々は、労働の側も経営の側も「自分の取り分はまず確保」という「思想」でしっかり武装して、本質に関わる議論を常に避けて来たということでしょう。
 いわば戦後民主主義世代(昭和十年代生まれ以降の世代)のその「甘さ」を(私もずっと甘さを引きずっています)、小泉首相のような話上手に突かれると、そうか「やっぱり構造改革も必要だ」という方向に引きずられるのです。
 確かに「改革」は必要です。しかし、その目的は「国民が生きていける日本」を作ることだと思います。
 その視点で「改革」を考えると、どうでしょう。
 小泉・竹中の改革路線は、体制派(守旧派)から大きな抵抗を受けていますが、共産党など別の「抵抗勢力」がなぜ反対しているか、国民は知らされていません。
 国民の多くは「共産党はなんでも反対だから」とか「市場から退場すべき不良企業の労働組合に気を使っているから」ぐらいにしか感じていません。 そもそも、企業たるものが「市場から退場すべき不良企業」になったのは、経営者や自民党の作った経済システムに第1の問題があるのであり、従業員だけが責任を取らされる話ではありません。
 しかし国民の多くは、共産党や社民党を(民主党も)、組合の利権を守るための政党としてしか見ていないため、換言すれば、特定の集団の既得権を守るための党と見なされているため、まだしも小泉・竹中路線が新鮮に思ってしまうのです。
 しかし、小泉・竹中路線にも、彼らには彼らなりの「既得権益」もあり、さらに「作り上げるべき権益システム」への展望があるでしょう。しかし残念ながら、国民は「拉致問題での断固たる小泉政権の対応」に拍手を送りながら、十年一日の「平和と民主主義」のチラシにうんざりしているのが現実です。 共産党も「小泉改革には反対だが、国民が主人公の日本改革には賛成」と、庶民にはほとんど伝わらない、いつもながらの下手過ぎる議論をしています。テレビの討論会を見ていても、共産党の議員の真面目さか、どうでも良いやり取りにも「庶民に伝わらない」言葉選びの努力に終始し、「改革には賛成ですが、構造改革には反対です」などと立ち往生しているのを見ます。
 それにしても、共産党に限らず、わが「革新陣営」の意味も無く「言葉を選ぶ態度」は、「平和」という一般名詞をやたらに使いたがる傾向、「負担増はもうたくさん」などの良いことずくめで国民に取り入ろうとする態度につながり、どれにしても、何かを変えようという前向きな意欲より「何かを守ろう」とする消極性を、国民に感じさせています。それが軽い拒絶感となっているのでは?
 しかし、なぜこんな簡単なことが分からないのでしょうか?
 それとも、革新陣営の「既得権」の大きさが、彼らをしてガンジガラメにさせているのか?
 きついことばかり言って来ましたが、今回の補選で、民主党は分裂への方向、社民党は消滅の方向がはっきりしました。今や日本共産党は、外野でやじるだけの楽しい野党生活に別れを告げる時です。場合によっては小沢自由党と「抗学会・抗自民党統一戦線」もあるかもしれません。それぐらいのビジョンを示せなくては、共産党の将来は、結局今の社民党でしょう。
 「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」
 日本共産党にほのかな期待を寄せる人々は多いです。その人達を味方につけてこそ、議席の増もあります。組織を固めて政権が取れるなら別ですが、党員40万(しかも大部分が中高年)では、固めているうちにみんな死んでしまいます。残された時間は、それほどないのです。
 甘い私自身も、これから自分に何ができるか、考え中です。