久しぶりにさざ波通信を読んだ。拉致問題について少しは掘り下げた論議があるかと思ったが、見た限りでは、マスコミと同じ論調の投稿に時間をとられただけであった。共産党が家族の人たちを助けて拉致問題の解決に対し何の貢献もしていないとか、社民党は謝罪したのに共産党は何もしていないとか、拉致問題に対する批判や糾弾の姿勢がないとか・・・・・
確かに拉致にあった人々とその家族の心情を思うと忍びない。が、どうしてこのような事件が起こったのであろうか。家族と一緒になってわいわい北朝鮮を糾弾するよりも、事件が二度と起きないようにするために、その原因を突き止める方向に論議を向かわす方が重要であろう。
どうして北朝鮮は拉致したり、工作船(不審船)を頻繁に近海に出したりしたのだろう。北朝鮮の人々は誰でもこのようなことを平気で行うのだろうか。そうではないだろう。理由がある筈だ。
考えてみるがいい。緊張が続く米朝の狭間に置かれたこの島国の地理的状況と米国の支配下にある政治的状況を
。
最弱の北朝鮮が最強の米国に立ち向かうために閉ざされた環境を少しでも切り開くべく可能なあらゆる手段を講じて海を隔てた向こうから情報を得ようと努めるのは当然だろう。拉致され、殺された人々はこの犠牲者なのである。
われわれはアメリカ資本主義を維持するための最前線に位置しているのだ。こう見てくると、平和だ平和だとはやし立てられてきたけれどもその実少しも平和でなかったことがわかる。人々が拉致されたり、工作船が出没したりといった状況はこれを実証している。拉致は平和な社会で起きた突発的人さらい事件ではない。君が、私が密やかな朝米の戦いの犠牲者にされていたかもしれないのだ。
拉致家族と一緒になって大騒ぎしている状況をほくそ笑んで眺めているのはアメリカの指導者とそれに追随するアメリカンロビーだろう。