一般投稿欄

拉致問題雑感

2002/10/23　しろう、４０代

　拉致問題に関するＹＹさんの投稿や、それを批判する投稿を読みました。
　ＹＹさんの議論全てに賛成するのではありませんが、拉致事件のみを個別に取り上げて論ずる方法に対する問題提起としては、賛成します。
　ＹＹさんに対する批判の一つを読ませて頂き、米国の9.11事件を想起しました。
　あの事件についても、事件に至る因果関係を遮断し、事件のみを取り上げて「断固糾弾」する議論が横行しました。
　しかし、事件のみを取り上げて評価することは、「責任」という点からも「再発防止」という点からも、賛成することはできません。

　そのような考え方と関連があるのかも知れませんが、今回の拉致事件に対する日本国民の反応に対して、私は違和感を感じています。
　確かに、突然拉致された人やその家族にとっては許しがたい行為です。彼らが怒るのは当然ですし、また、同じ日本国民として、一般の国民が彼らと共に怒ることも理解できます。
　しかし、今回の拉致事件について悲しみや怒りを共有する日本国民が、韓国併合前後から日本の敗戦に至るまで日本人によって殺され、拉致された何千人何万人という朝鮮人やその家族の悲しみや怒りをどれほど共有しているのでしょうか。
　今回の拉致事件について、北朝鮮に謝罪を要求したり賠償を要求したりする大きな声も聞こえてきます。
　しかし、拉致事件が発生した当時はおろか、小泉首相が今回訪朝するまで、日本は北朝鮮に居住する朝鮮人に対して全く謝罪してきませんでした。もちろん、賠償もしておりません。
　また、日本人の中には、朝鮮人を馬鹿にするような気持ちを持つ者も少なくありません。
　そのようなことを考えると、拉致事件について北朝鮮を非難する日本人の大合唱に、私は違和感を感じざるを得ません。