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なぜ議論にならないのか

2002/10/10 みちじろう、30代、賃金労働者

 ititakeさんへ、なぜあなたの「経済、労働問題」への提起に反応がないのか。ititakeさんご自身の主張を振りかえられてはいかがですか。

 ititakeさんは日朝問題などでは極めて冷静な議論をされるのに、労働問題や公務員問題では極論をすぐ主張されます。

 長時間労働など一般的な労働問題の解決を訴えた「さえない30代」さんへの7月18日の書き込み。サラリーマンを「奴隷根性」と切り捨てた8月21日の書き込み。
 これらの書き込みは、とても幅広い結集を目指す人の言葉とは思えません。

 日本の労働者は、労働法や労働組合が十分機能しない中で過酷な状況に置かれています。
 連合の調査でも、50%以上の人が残業手当の支払いを正当に受けていないこと。
 ヨーロッパ諸国で制定されている解雇制限法のない中で不当なリストラに直面していること。

 厳しさを増すばかりの業績評価、個人ノルマで、社会生産性本部の調査でも、大企業の社員の一割に「心の病」が拡がっているということ。
 高校生の就職率は70%を下回り過去最低を記録している。働く意思があっても働けない状況にあること。

 私は、日本の労働者の置かれている状況を「これでよい」とはとても思えません。
 こうした中で、「労働基準法を守れ」「生活できる賃金を」といった主張を頭から否定されるのでは議論になりません。

 ititakeさんの会社では「賃上げは論外」かもしれません。
 しかし、GDPの6割は個人消費なのです。賃金を下げれば個人消費はさらに落ち込み、お金が循環しません。
 トヨタをはじめ、経常利益が1,000億円を超える企業がありますが、そういうところは労働者にしっかり「賃金」で還元すべきです。

 ititakeさんが攻撃してやまない公務員でも、そんなに恵まれている人ばかりではありません。公務員だからといって、みな「管理職級」の給与をもらえるわけでも、特殊法人の理事職を渡り歩けるわけでもありません。朝日の郵政事業庁の記事も、詳細が書かれていませんが、おそらくは退職後、月給20万以下の仕事のあっせんのことではないかと推察されます。(それでもけしからん、とおっしゃるかもしれませんが)
 それよりも、何をやっても批判される…、そうした「反射的な公務員バッシング」が続くことで、まじめに働いている公務員のモラールを下げていることに思いを至らせることはできないものでしょうか。

 中には行過ぎた「既得権」もあるかもしれません。しかし、今は日本の労働者全体の賃金や労働条件を「引き上げること」こそ第一にすべきです。