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真摯に議論をするために

2002/11/2 みち じろう、30代、賃金労働者

 ititakeさんへ。
 幅広い共闘を目指すititakeさん。
 福祉の拡充を目指し、賃金労働者の生活維持、向上を目指す人々と真摯に議論をお望みならば、主張をコロコロ変えるのは止めてください。
 ititakeさんは「サラリーマンは奴隷根性」とおっしゃいました。いったんは撤回されましたが、10月14日の書き込みでは再び公務員、大企業労働者を「悪」とされている。
 どちらの主張があなたの本音なのですか。

 いくつか、論点を整理させていただきます。
 「年功序列賃金など不釣合いな待遇」といいます。
 年功序列賃金一切を否定されるのか。アメリカでさえ事務労働では年功の部分があります。医療、介護労働には当然、経験による労働の質の向上があります。ある程度の年功賃金は認める方が実態に合っているのではありませんか。
 また、公務員が「厚遇」されているといいますが、年収300万円の若手職員と、年収2500万円を超え、特殊法人の理事職を渡り歩くことができる国家キャリアを同一に語ることは正当でしょうか。公務員全員が理事職になれるかのような不正確な観念に基づく議論はいかがなものでしよう。

「無駄あるいは過剰な福祉」とは何か
 今、国民健康保険の保険料が支払えない世帯が20%に達しようとしています。国健料の引き下げをという願いは切実です。また、介護保険制度でも、介護サービスの必要があるのにサービス料が支払えずに介護を受けられない人々が50%もいるとの調査もあります。医療や介護を受けたくても受けられない経済状況の人々を大量に生み出してしまっています。
 もともと日本は社会保障の支出額がG7の中で最低クラスにあります。それでも「福祉要求」をしてはいけないのですか。社会福祉の拡充が求められる分野があることをお認めになりますか。

「公務員、大企業のサラリーマンは悪か」
 中小企業から見れば相対的に恵まれているのは確かでしょう。しかし、彼ら彼女らも、政治家、法律、企業内外の関係の圧力の中で生きているのです(だから奴隷根性といいたいのでしょうが、それを言ったら本当の共闘はできません。中小経営者と賃金労働者が中傷しあい、足の引っ張り合いをするさまを、経団連幹部が見たらさぞ喜ぶことでしょう。)

 公務員の中でも、ゼネコン優先でなく、地域社会に還元できる政策の実現を志している者もいるはずです。銀行員でも、融資先企業の繁栄を願いながら融資を行ないたいと考えている者もいるはずです。
 公務員が国民全体でなく特定業界に奉仕する。銀行が「市場原理主義」の手先になって中小企業を潰している。こうした倒錯を、まっとうな政策実現を願う世論を起こして議員を変え、政治を変え正していく。そのことが大事なのではありませんか。
 この点ではititakeさんにも同意いただけると思いますが。