こんばんは、地域経済分科会です。
ながらくご無沙汰しております。
日本経済はご存知のように、デフレ状態です。一方で財政難。
これをどう打開するか。
答えは「セイニアーリッジ」の行使ではないかと最近愚考しております。
セイニアーリッジとは政府が直接通貨を発行する事です。
そもそも通貨と言うのは国の主権の象徴であり、その発行は政府の権利です。
今は御札は中央銀行に委ねていますが、コインの発行は大蔵省です。
そこで、政府が直接御札をするのです。あるいは、中央銀行に赤字国債を引き受けさせるのです。それを財源に医療改悪、雇用保険改悪を
やめさせるのです。
2、インフレにならない
インフレになる、と反論が帰って来るでしょう。
しかし、よく見てください。今は「デフレ」です。生産設備も労働者も余っています。
この状況で総需要を追加すれば、企業は遊休設備を動かし、労働者を雇います。
かくて、景気は上向きます。税収も増え財政も再建されます。
これを、北朝鮮でやってもだめです。北朝鮮が苦しいのは生産力そのものが低いからで、総需要を増やしても、金利が上がり、物価が上昇するだけです。そして、輸入が増えるだけでしょう。
日本は生産設備が余っているのです。それが大きな違いです。
3、早くしないと大変な事に
しかし、早く政府通貨を発行しないと大変な事になります。
そうこうするうちに、経済の規模はどんどん小さくなって行くからです。企業は遊休設備を廃棄し、需要が旺盛な中国などへ投資するようになるでしょう。
そうするとますます「空洞化」がひどくなり、取り返しがつかないことになります。
空洞化が進んでからセイニアーリッジを行使しても今度は、もう遊休設備はありませんから物価が上昇するだけです。
財政再建にも役に立ちません。
今のうちにセイニアーリッジを行使することが救国の道ではないかと考えています。
4 労働者同士の内ゲバ止めよう
これをすれば公務員の給与が高いだの、低いだの、民間は大変だ、いや痛みを我慢しろなどということもない。
今の日本は、パイの材料=資本が沢山あるのに、一部しか活用しないでおいて、それで公務員と民間、若者と高齢者といった労働者同士で内ゲバを繰り返しています。
この掲示板での討論にもそうした傾向が散見されます。
そうではなくて今余っている材料を活かして全体のパイを増やす事を考えようではありませんか。
こんな資本が余っている国で、失業者が多数出て、自殺者も出るなどおかしなことです。
5 どうやって俗論を打ち破るか
問題は、どうやって、俗論を打ち破るかです。俗論と言うのは、「政府は小さい方が良い」という最近流行りの新自由主義であり、軍国主義と結びついています。
竹中流の新自由主義。これははっきり言って「カルト経済学」です。
国民のためには絶対に内需回復、そのための政府通貨発行です。
一方、アメリカはそうはさせたくないでしょう。日本企業をどんどんつぶし、ハゲタカファンドでぼろもうけを狙っているわけですから。
そして日本をアメリカ帝国主義のもっとも忠実な右腕として有事立法を作らせて協力させようとしている。
しかし我々は国民の暮らしと命を守らねばなりません。
なお共産党中央は、赤字国債日銀引き受けはインフレになる、といっていますが、これは現在の日本には当てはまりません。こんなことはマクロ経済学のイロハですが。
赤字国債を日銀が引き受けても、政府の利払いは日銀の国庫納付金に反映されますから、日銀と政府の間をぐるぐる回るだけです。従って利払いを心配する必要もなくなります。
政府通貨権の行使を堂々と共産党が言えれば面白いと思います。幅広い支持が得られるのではないでしょうか。自民党に先を超される前に
こちらから提案すべきだと愚考致します。
政府通貨権の行使は「通常の政策」ではありませんが今の日本の状況では十分当てはまります。
なお、モラルハザードを心配する人もいるでしょうが、むしろ個別企業に御金を投入する今の政府のやり方のほうがよほどモラルハザードでしょう。それよりは一律にマクロ経済を底上げし、それを通じて企業や労働者を楽にする政府通貨権行使こそ望ましい景気対策だと考えます。
むろん、長期的には、環境破壊をしないようなそういう経済への「構造改革」は必要です。
しかし、短期は景気対策でしょう。