こんばんは。
地域経済分科会です。
ここの掲示板でもよくいわれていることですが、共産党の「右傾化」が進んでいるということが言われています。
その原因は何か。大きく分けてふたつあると思います。
1 憲法九条を消化しきれていない。
私は、一般的に、共産党員の多くが憲法九条の真髄を本当には消化しきれていないように思えます。
それは当たり前で、かつて、原水禁・社会党はいかなる核兵器にも反対したのに対して、共産党・原水禁はソ連の核はやむをえないとしています。
旧社会党は、「ヒューマニズム」的な部分については強いと思います。自治労と自治労連で比べても、たしかに、福祉とか労働問題は自治労連がまともですが、自治労も平和や原発問題では明らかに自治労連より上だと思います。
共産党はどちらかというと、「二つの敵論」で、アメリカ帝国主義の支配打倒には、少々のことは許されると言う面もあったのでしょう。
だから、ソ連の核も糾弾しなかったし、宮本顕治さんの時代には九条はむしろ将来的には廃止だったと思います。
いまでこそ、国会唯一の「護憲政党」(社民党も自衛隊合憲を放棄していない)となりましたが、本来の「護憲」の本家本元は社会党です。
消化しきれていないものですから、ちょっとしたことで路線がぶれるのです。
筆坂さんがTVで攻められたらどうする、と答えてしどろもどろでしたが、わたしなら「軍隊では人間の安全保障は出来ない」と即座に答えたでしょう。おそらく、新社会党の小森たつくにさんでも、社民党左派の金子哲夫さんあたりでもそう答えるでしょう。
自治労、自治労連双方のホームページを見ても、この辺の違いが良く出ています。
自治労のほうが、人間の安全保障に踏み込んでいる分、平和問題に限って言えばすこし優れていると思います。
2.新自由主義批判が弱い点
これは、結局、「財政再建はどうするのだ」と言われる事を過度に恐れて、びびっているのだと思います。
福祉、保育、青年の雇用、共産党の政策が一番良いと思います。
自民党の大物でさえ「共産党はよい事ばかり言う」と言います。一方で「よい事ばかりは出来ないよ」と言います。
結局、この後者の「よい事ばかり出来ないよ」というところへ、きちんと反論できていない所が問題だと思います。
むろん「公共事業を削る」で良いではないか、というこえもでそうですが、しかしそれだけでは景気は上向きません。
「デフレ経済での財政悪化」へきちんと堂々と対策を示せない。そうなると新自由主義に腰砕けになる。
そうなるとこんどはそれが、平和問題や、天皇制の問題、住基ネットなどにも影響を与えて行きます。新自由主義とこれらは不離不足の関係にあるからです。
「そうはいっても財政赤字はどうする」という国民の疑問に答えられていません。だからこそ、絶対に、深層心理のどこかでビビッテいるのです。そのビビリが、新自由主義への批判の弱さとなって表面に出ているのでしょう。
3、克服をどうして行くか
私が大蔵大臣なら、自信を持って「政府通貨発行権」の行使を行ないます。デフレギャップは200兆円あるとみられています。それくらい総需要が増えるような形で通貨を発行しても、遊休設備が動き、失業者が雇われるだけですから、物価はあがりません。景気が回復し、税収が増えます。
こうすれば確実に景気は回復します。財政も再建できます。
その前に、きちんと、民主的な税制へ改革しておかないと行けません。
でないと景気回復しても税収が伸びませんから。
民主的税制にしておけば、景気が過熱しても、税収が増えて過熱を押える役目をはたします。
これをビルトインスタビライザーといいます。
とにかく、デフレギャップ解消までは、おそれずに通貨を発行し、政府の収入とすべきです。
また、平和問題での「右傾化」ですが、どうやら沖縄大衆党も本土移設推進派の候補を推していますからもうご臨終でしょう。
ですので、共産党が一番左、という状況にはかわりはないのですが、社会党系の平和理論を研究して行くのも一興かと思います。それを時代に合わせてやっていく。
自治労、日教組、いや部落解放同盟でも良いのです。
系統は違うが、平和への取り組みが盛んなところからも謙虚に学んで行く。
こうしたところでしょうか。