この投稿欄でもマスコミのワイドショウでも、週刊金曜日の曽我ひとみさんの家族へのインタビュー記事に対する批判、攻撃が盛んである。
私も今日その記事を読む機会があった、私が読んだ限りに於いて北朝鮮の宣伝を無批判に掲載しているとか、金曜日が北朝鮮の主張に乗ってしまった等とは全く感じられなかった。
「拉致」については北朝鮮と云う国家による犯罪行為であり、決して日本の過去の朝鮮民族に対する天皇制国家による犯罪行為と相殺できる問題ではない、この事はごく一部の人を除いて一致出来るだろう。
ごく一部の人というのは先刻ご承知だろうが、従軍慰安婦はでっち上げであり、化学、生物兵器による攻撃や南京虐殺は無かったと云う立場の人達である。
主題に戻るが、件のインタビュー記事について云えば、10日で帰ってきますよと「日本政府の責任者」が確約して里帰りした妻が、母が一ヶ月過ぎても帰ってこないと云う残された家族の早く会いたい、と云う思いを伝えているものでしかない。
確かに、拉致されて北朝鮮に来たことを日本に来る2週間前に聞いた、とか家族が今後どこで暮らすか北朝鮮に帰ってから話し合おう、と云うのは北朝鮮政府に云わされたのかも知れない。
しかし日本に帰ってきた人達も自分の本当の意志を公の場で正直に話せる状況に現時点でなって居るであろうか。
滞在期間の延長ではなく、北朝鮮には帰さないと云う政府方針を全員が納得したのであろうか。
日本政府は外交が全く下手であると云われるが、今回それを正に露呈してしまったと云うのが私の感想である、北朝鮮は現在極端な食糧不足に陥っていると云う認識から、多少日本が強引な手法を採ってももっと妥協するに相違ないと云う「甘さ」が有るように思える、もう一つはアメリカの「悪の枢軸論」に乗っかって、その一つである北朝鮮を日本政府(小泉内閣)がアメリカの代理として、力で屈服させようとしているように見えてならない。
国と国との争いでいつも「犠牲」となるのは国民である、今回は拉致され帰ってきた人達と、拉致した国に残されたその家族である。
出発点で間違った外交をどうすべきか、私には難しすぎる、永住帰国を決定した段階で困難さを増したことだけは確かである。