最近共産党は、首長選において市民派とされる無党派候補を応援している。長野県知事選、熊本市長選、姫路市長選等々では、応援したこれらの候補が勝利している。赤旗紙上では、自民・公明・民主等の政党が相乗りした候補を破っての勝利を、まるで共産党が応援したのが勝因であるかのように書いているが、これは共産党の将来において正しい選択なのだろうか。私は疑問である。これらの首長は、既成組織、特に上から貫徹する組織に対するアンチテーゼとしての運動から出てきた方々である。全て党中央からの指令で動く共産党の組織とは本来異質ではないのだろうか。中には共産党の主張とかけ離れている意見の持ち主もいる。惨敗が予想されていても、権力側と野党が接戦でも、党独自候補を擁立してきたのが共産党ではなかったのか。
従ってこれらの方々と運動を共に推進するなら、またぞろ共産党の党派性がでてこないのだろうかと心配する。それとも最近の党組織は柔軟になっていて、こうした運動に参加しても何の締め付けもないのだろうか。かつて市民運動の組織原理を党に持ち込もうとした方々は、民青や全学連の例の通り、除名という憂き目を見ている。今回の支援が単なる戦術的なものなのか、それとも共産党の新たな展開なのか、統一地方選を見守りたい。少なくとも私の周りの党員の方は、戸惑いを感じている。人気取りで、流行を追ったとは思いたくもないので。