11月29日付けで司郎さんは「ならず者国家」という言葉に付いてふれておられます。もともとこの言葉は訳語です。アメリカは北朝鮮やイラン、リビアなどの国家を「rogue states」と呼んでいます。この言葉を外務省は違法国家とか無責任国家とか公式に訳しています。また商業新聞によって訳は異なり、産経新聞などは「無法国家」と訳しています。しかし朝日新聞はこの言葉を最初に「ならず者国家」と訳し、世間に広めました。rogueという言葉はもともと古い由緒ある単語で、文語にさえ近いそうです。それを朝日新聞は「ならず者」という奇妙な訳語を使ったわけです。これは反米の立場の朝日新聞の意図が込められています。すなわちそのような呼びかたをする側に対して「他国を不当に口汚くののしる国」という認識が生れる、ということを意図してのことでしょう。
司郎さんの投稿では「わからないのはならず者国家と呼ぶのはけしからんといって批判して共産党自身は北朝鮮を無法国家といっていることです」とあります。私は共産党が実際にどういう議論を展開したのかは知りませんが、共産党がこの訳語にこだわっているとしたならば何の意味もありません。「rogue states」という英語の表現について論を展開して初めて意味のある論議となります。
「ならず者国家」の訳のことは「朝日新聞の大研究」(扶桑社、古森義久・井沢元彦・稲垣武の共著)で述べられています。ちなみにこの「朝日新聞の大研究」ですが、朝日新聞がかつていかに社会主義国側に対して甘い偏った報道をしていたか暴いています。