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「福祉」の思想を問うへの平和会の「反論」コメントとそれに対する私の評価

2002/12/15 有田和生、40代

 まず入手した全文をアップします。その上で平和会が私に「寄せた」批判について著書で明らかに内容をより具体的に述べる形で反証致します。
 最初に述べておきますが、このコメントなる文書は、私に発行の中止を要求すると言い切っていますが、今日現在、そういう趣旨の文書はおろか、口頭での抗議すら無いことをお伝えしておきます。
 また、この文書は兵庫県の方から私は入手したのですが、肝心の法人内職員には配布されていないことを昨夜確認しています。兵庫の方は、兵庫民医連の関係者から入手されたと言うことでした。

 有田和生氏が、当会及び民医連を中傷する目的で著書を出版したことに強く抗議する。著書の内容は、彼が当会を退職に至った事実経過の断片を、都合よく組み合わせて構成されたもので、事実とは全く異なるものである。

 彼の退職に至る経過における「トラブル」はすでに当人とも解決済みのことである。本人と労組、法人の三者(双方の代理人を含む)の話し合いで確認された「合意書」(2000年9月26日)が存在する。

 この合意書をもとにした、有田氏の職場復帰に向けた関係者の努力はまったく無視され、復職(2001年2月18日)後も、まともに仕事に従事せず、就業規則を守らず、協調性を欠き、自ら職場復帰の道を閉ざして、自己退職に至ったものである。(2001年5月15日付け退職届、退職金も規程どおり支払われている)

 著書のなかで、自身がおかれた職場環境について人権侵害があったとしている問題についても、彼自身が人権擁護委員会への「救済申立」(2001年3月2日)を行ったにもかかわらず、我々の道理ある説明によって、まともに取り上げることさえなかった問題である。

 また、著書の中で、当会の介護保険事業に対する中傷が行われているが、彼の中傷とは別に、介護事業に携わる関係職員の献身的な奮闘によって、初期の困難期を比較的スムースに立ち上げ、以後今日まで順調に事業を運営している。また、著書で在宅介護支援センターの施設基準の問題などを取り上げているが、彼の退職後に、おそらくその告発に基づいて実施されたと思われる行政の現地調査においても、そのような問題のある指摘はなされていない。このような中傷は、当会とその幹部に向けられているだけでなく、日々地域医療・介護に献身的に携わっている職員に対する侮辱であり断じて許すことが出来ない。
 以上のように有田和生氏の著書の内容に、すでに解決済みの問題にも関わらず感情的、感傷的に当会を攻撃し、自らを慰める目的に書かれたと言うほかない。まして、本人との合意書では、「第三者に対する経過の公表や、他方への批判等は行わない」事が確認されていたにもかかわらず、今回,有田氏によって一方的に破られたことは二重、三重の意味で許し難い行為であると言わなければならない。当会は本書の出版に強く抗議するとともに有田氏側にこのような行為を直ちに中止するように強く要求する。
 そうでなければ、当会としても、今後必要に応じて事実経過を公表せざる得ないものと考える。

 本書によって、当会及び民医連全体に向けられた論旨は小泉「構造改革」のもとで、いのちと暮らしの防波堤として運動している民医連職員、共同組織に対する攻撃であり、極めて反国民的性格しか果たしていないと考える。当会はこのような中傷には一切動じることなく、地域に密着した医療・福祉・介護の総合的な活動実践を通じて社会に貢献することを改めて表明する。
以上
2002年10月14日
 医療法人平和会
理事長 市川篤
常務理事 田中 義夫
まず、このコメントの趣旨は、私に対する抗議の体裁を取りながらも、私には送達もしていないと言う、奇怪な文書であることを最初に指摘しておきます。
 次に私の人格攻撃とも言える文言が列挙され、私が就業規則を守らないなどと誹謗を繰り返しています。
 さて、私が「まともに仕事に従事せず」「就業規則を守らない」とはどういう事実を指すのか、全く指摘することもなく抽象的に、さもそのような事実があったかのように描かれています。著書の中にもふれておきましたが、この事件の直前、1997年7月には私は「不良職員」であるにもかかわらず、法人の推薦で奈良県医師会より永年勤続表彰を受けています。一部賞状の記載内容を転載し、反論に変えます。
 「職責を全うしてこられたことは他の模範とすることであります」「ここに個々に当該医療機関の推薦によりその功をたたえ表彰致します」とあります。
 また、コメントでは私が「合意書」を破ったと非難をしています。
 しかし、これも真実ではありません。合意書の精神を蹂躙し、私の復帰後も執拗に人権侵害を繰り返したのは、法人です。
 著書でもふれましたが、あらためて事実を確認しておきます。私の復帰後本来の職場に戻さなかっただけではなく、具体的な業務の指示もせず、自分で仕事を探さなくてはならない状況に私はおかれました。ですから、従来援助にあっていた患者さん宅に訪問し課題の分析を行うなどの仕事を私は作らざる得ませんでした。当然、患者さんは突如として姿を消した私の身を案じ、これまでのことを延々と語られます。相談事を含め訪問時間が長時間になることもあり得ることです。それに対して法人の米田氏は訪問看護ステーションわかばの管理者を通じ患者さん宅に電話を入れて、私が「本当に来ていたか」などと問い合わせた事実も明らかになっています。また、相談に来ようとした他施設の職員の方の面接を拒んだという事実もあらためて紹介しておきます。この行為自体通常の行為とは言えないことは明らかです。このあたりのいきさつは著書の中で克明に再現していますので、ご覧ください。
 また復帰当日、中村氏、角谷氏、中西氏が糾弾行為を労組の立ち会いを業務上の連絡だからと拒否して始めました。
 内容は「業務命令に従うか」と一方的な服従を求めるものであったため、就業規則などの当然の義務は果たすが、根拠もない命令は従え無い旨を私は通告しています。
 この中でも全く相談業務にどのように関わるかの指示はありませんでした。中村氏に「空いてる時間はどうするのか」と問うと「学習しろ」との回答でした。具体的な業務分担もせず本書で明らかにした相談場所も確保されていない中では仕事はありませんから、一日中学習をしろと言うことになります。これは私が著書の中で指摘した、SEGAなどの隔離部屋とどこが異なるというのでしょうか? 具体的な法人の反論を待ちたいところです。

 次に人権救済の申し立ての件です。
 法務局人権擁護課長佐々木氏は私への電話連絡において、下記のような趣旨を述べておられます。

法務局では具体的な指導は困難であるが、今後このような事件の再発を防止する意味で身でも平和会に対して事情聴取は行った。その中で、田中氏は法人にも不十分な点があったとの趣旨を述べていた。

 ですから、コメントでいう「取り上げられることさえなかった」というのは明らかに事実とは異なります。

 次に、在宅支援センター問題です。
 最初に、私は退職後は一切奈良市との交流はありません。ですから現地調査が私の告発によって行われたものでは無いことは明らかです。事実は奈良市当局に確認すれば分かることです。にもかかわらず、憶測で、私の告発によるとの「断定」は、あたかも私が陰湿な手段で平和会を陥れようとしているとの印象を与えるためのものと考えますが、読者諸兄はどのように感じられたでしょうか?
 また、彼らは問題はその調査でも指摘されなかったから問題はなく、私の捏造というニュアンスを印象づけようとしています。
 であれば、私も著書でふれた以上に具体的にふれざるを得ません。
 老人福祉法時代の在宅介護支援センターの設置基準は耐火構造の建物であること、福祉用具の展示ルームや相談室のスペース、人員基準などが細かく規定されていました。
 平和会のこのホームページをご覧の方にお聞き致します。
 例えば当時あやめ池診療所の展示スペースはどこに「現実に」確保されていましたか?
 とみお診療所では私の記憶では相談員のTさん以外に二人の人員が配置されたことになっていましたが、Nさんは事務長、Mさんは婦長でしたね。兼任でよいという規定が施行規則のどこにありますか。百歩譲って、兼任が認められるとしても、Nさん、Mさんが在宅介護支援センターの業務に関わっていましたか。また、展示ルームは認可の際の図面では集会室を転用されていましたが、実際にそのように活用していましたか?

 あなた達が、平和会の主張に間違いはないと強弁されるのであれば、具体的に反論してください。

 最後に私の書いた「福祉の思想を問う」では、一切一緒に働いていた「仲間」や民医連の攻撃はしていません。
 本書のどこをさして、民医連職員への攻撃なのか、共同組織への攻撃なのか、具体的に述べてください。私は今でも全国の民医連の仲間たちとの交流を持っていますし、この本を読んでいただいた感想も聞いていますよ。
 ある相談業務に携わる民医連職員は、本書を読んで、全国民医連に指導性を求めたいのだがなかなかそのようにすすまないと嘆いておられましたよ。

 平和会の幹部の方々、議論のすり替えはやめましょうよ。
 また、私が事件の背景として掲げた事実は、あなた方が「反論」した部分だけではありません。遅刻常習が許される管理者のこと、MRSA保菌者の病室への掲示問題、介護保険導入前に行われていた現場サイドの会議の結果を覆した事実など、、私はたくさん問いかけているのですから、全面的な反論をお待ちしています。また、それが公開の場で行われることを要望致します。

 掲示板をお読みの皆様方へ
 取り急ぎ、掲示版上で最低限の反論はさせていただきました。
 彼らが取り上げている事実は、私の著書に書かれた事実の断片を都合よく抜き出したものだというのが私の感想です。全文を通してお読みいただき、先にupした平和会のコメントと、ぜひつき合わせてお読みください。そうすれば全体像がより鮮明に浮かぶことと思います。もちろん私が無謬の存在であるなどとは思っていませんのでご批判も含めお寄せいただきましたら幸甚です。

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