本日(1月17日)に、「日本共産党の80年」が発表された。
1. この内容について、党全体での議論が行なわれた形跡はないが、このような歴史に対する解釈を含む文書を党中央は編纂する権限を持っているのだろうか。わたしは、まず原案を党中央の責任で作成し、党内討議にかけ、しかる後に党外の意見にも耳を傾け、最後に党大会で正式に決定するというのが、謙虚に自己分析性を発揮する、ということであると思う。
2. 私が個人的に注目している点は、「社会主義」国に対する評価である。
2-1 50年問題において、ウルトラマン(宮本顕治氏)はバルタン星人らと死闘を繰り広げたのであるが、ウルトラマンの得意技、スペシウム光線(「日本の情勢について」)は、「光の国」からの贈り物であった. ところが、今になってわかったとことは、この「光の国」なるもの、実は、闇の帝国だったというのである。私のような幼稚な頭には、よくわからないことである。
2-2 1976年において、「社会主義と市場経済の結合という問題が、現実の問題としては、世界のどこでもまだ現実の問題となっていない時期」である、という点については、かなりの異論が出されると予想される。私自身は、いずれにせよ、それが自由と民主主義の宣言という綱領に次ぐ文書に盛り込まれたとするならば(もう一度読み返してみる必要があるの慎重な表現にしておく)、それは先駆的だったと言わざるをえないであろう。しかし、それがどの程度考え抜かれて盛り込まれたのか、あるいは宮本顕治氏の頭にある朝ぱっと浮かんだひらめきにすぎなかったのか、そこは吟味してみる必要があるであろう。さらに、重要なことは、それだけ先駆的なことをやっているという自覚があるのなら、党のまわりにいる知識人を、それこそ動員して、この問題を継続的に深める努力がなされべきであると思うのだが、この点はどうであったのだろうか。