Hegelさん、レスが遅れて済みません。あなたの主張を読んで、少し理解が深まりました。もう一度、私の主張を簡単に繰り返すと、例えば「サービス残業と失業の問題は一切議論する価値のないテーマだ」と言っているのではありません。優先順位の問題として、当面緊急の話題ではないと言っているのです。なぜなら、各単組でそういう取り組みをやったところで、何時になったら結果が出るのでしょう? 今はそんな悠長なことを言っている時ではないのです。サパティスタさんの意見は、議論ではなく「本音の吐露」です。だから胸を打つのです。理想はあくまで理想です。また大切なものです。しかし、理想は多くの場合「建前」に流れ、それが多くの惨事につなっがたことは歴史を見れば明らかでしょう。自由を守るため「数十万以上のベトナム人は米軍に殺され」「国際的連帯のため、アフガン人が数十万以上旧ソ連軍に殺され」「宗教の正当制を守るため、カトリックとプロテスタントの双方で途方もない数のヨーロッパ人が殺されて」います。このように「理想」ほど権力者に利用され易いのもありません。最近では「西側の腐敗した文化からイスラムを防衛するため、特・・・(文字化け)・・・。私も労組委員長を経験したことのある人間です。組合運動がどれほど本音と建前を使い分ける汚い運動か、十分知っています。これは、企業内組合というシステムがある以上、どうにもならないのです。ところで、現在の労働市場の問題は、実に複雑だと思います。少子高齢化が進む中で、将来的には「労働力不足もありうる」という指摘が、主に体制寄りのエコノミストから出ています。これは数十年先を見ればそうかもしれません。しかし、明日の生活に追われる多くの国民の目には、自分の死んだ後のことでしかないでしょう。「サービス残業と失業」に関する議論も、多くの非組織労働者や自営業者である国民にとって、同じ次元の議論でしかありません。今を解決する話ではないのです。そこが問題なのです。また、労働力の質も問題です。ノーベル賞の受賞は嬉しいですが、あくまでトップレベルのエリートの話で、一般の労働力は質的にはっきり落ちている状況です。中小企業では、優秀な人材は海外から求めるという傾向がかなり進んでいます。日本では、超一流の大学を出ている人以外は、知的労働者として使い物にならないなどという暴論も、経営者レベルでは語られているの・・・(文字化け)・・・。政治は常に「今」の解決です。共産党に欠けていたのは、その視点です。この党の、何につけても「何時かは我々が勝利する」という予定調和論は、政治というより「宗教」の発想です。国民が共産党について行けなかったのは、ここでしょう。また、天皇制や安全保障の議論も「前例主義と建前」に縛られ、党員レベルでまともな政策論議になっていません。宮本体制の下で「日本国憲法原理主義」を取り入れたのは、その当時としては、理由のあったことと思いますが、北朝鮮による拉致の問題など考えると、やはり国民の安全を守る体制は緊急の課題です。この問題について、共産党の消極性がよく指摘されますが、これは「不破議長の調査妨害」というデマ?などに影響されたというより、安全保障論の根幹である「非武装中立論」に打撃を与えるテーマであることが、おそらく最大の理由と考えられます。日米安保などより有効な「大アジア安保」のような集団安全保障体制などが議論されても良いのでは? もちろん、末端党員の平均的知的レベルでは、望むべくもないですが。
また、創価学会に対する批判活動については、Hegelさんの意見に半分同意します。やはり放っておくことは相手の主張を認めることになります。要は、どう批判するかでしょう。公明党・学会批判のチラシなどいくら配っても、一般国民には「目糞と鼻糞のけんか」にしか見えません。それと、国民の目には「創価学会と共産党の体質は似ている」という先入観がかなりあるのです。実際、私の友人の共産党員と学会員には、発想の仕方・感受性の点でかなり共通点が見られます。これは、社会階層の点で同じ基盤に立っていることが大きい理由と思われます。どちらも「税金を納める」より「国や自治体の補助を受け取る」ことを、最大の関心事にしている方々です。自分がビジネスを立ち上げるより、おこぼれに預かることが好きな傾向が見られます。まさに愁うべき傾向です。ですから、どちらの末端活動家も「平和と福祉」という同じ文言を念仏のように口ずさむのです。
しかし、私が共産党に期待していることも多くあります。去年の日刊赤旗で、不破氏が中国を訪れ公演した際に「市場経済に代わる経済の調節機能は今のところない。したがって、将来の新しい社会主義において、この市場メカニズムをビルトインさせる必要がある」という趣旨のことを述べています。おそらく、末端の古参党員は憤慨したでしょう。しかしながら、ある程度経済学の知識のある方からすると「共産党も進歩した」という意見が多いのも事実です。まあこれも、末端党員の多数は拒否する危うい発言でした。
言いたいことをつらねて申し訳ありませんが、繰り返し言うように、党員には真面目で有能な方も残っています。彼らと連帯し、自分にできることはやりたいです。Hegelさんからのアドバイスを楽しみにしております。