民医連経営と労働問題についてのお二人の投稿、拝見しました。
これに関連しての投稿ですが、03年1月31日「赤旗」は、日本医労連が、民医連系医療機関で医療不祥事が多発した事に対応して発表した「見解」(記事では民医連見解と呼んでいる)を「支持する」とする見解を発表したと報じている。
日本医労連は、旧総評時代に医労協と呼ばれていたが、そのころから日本の労働戦線における、いわゆる「共産党系労組」の代表格ある。一般組合員の正直な感想はともかく、執行部はバリバリの共産党員やシンパで占められている。
現在では、「連合」にほぼすべての主要単産が加盟しているなかで、マスコミや行政などからも「有力単産」として扱われる唯一の全労連加盟単産である。言い換えれば、その他の全労連加盟単産が弱すぎるのだが。(ただし、戦闘的な活動内容は評価できる。)
全国46都道府県に県連組織を持ち、組合員17万5千人、だそうである。
全労連加盟であることから想像できる通り、経営者や厚生労働省と仲良くする「労使協調路線」はとらず、「戦闘的労働運動」を展開している、というのが一般的な評価である。
この評価は、部分的に正しく、部分的に不正確である。
厚生労働省などの政策や、実際の医療行政に対して見解や声明を発表するなどしてその問題点を指摘し、労働組合組織の立場から行政の不当な方針に反対したり、必要な場合には抗議行動を展開したりする。(看護婦をふやせ、厚生省は全医労攻撃をやめろ、など)
また、個々の経営者からの攻撃もあり、組合つぶしをねらった不当労働行為との闘いや、通常の賃金・労働条件、リストラ・合理化をめぐっての争議もある。この意味では、労働組合らしい組合、と言えます。
その一方で、労使ともに共産党系である民医連の場合はどうかというと、ある程度労使間に緊張感はあるものの、基本的に馴れ合い、もっとひどい場合には癒着・一体化しているといえます。
今回、日本医労連が民医連の一連の不祥事に関してようやく見解を発表したが、あまりにも遅すぎる。しかも、民医連経営者機関の「見解」発表を受けて、それを支持する形での対応である。日本医労連の執行部は馬鹿じゃないのか。
共産党や全労連は、昨今の企業不祥事に関連して、労働者や下請け業者の内部告発を支持したり、労働組合の経営チェック機能を発揮するべきとか主張しているようだが、ある意味もっとも「共産党的」な労使関係のところで、階級的ナショナルセンターに加盟する有力単産が組合らしい対応をとれず、経営者機関(民医連理事会)に旗を振っているようではお話にならないではないか。
だいたい、こんなことで「民主的」といえるのだろうか。