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イスラム

2003/2/15 結城、40代、会社員

 何故テロは起こったか?

 ワールドトレードセンターに突っ込む飛行機を見て、何故あのようなことが起こったのか、すぐに理解することができなかった。だいぶ前になるが、職場にイランの人が1年在籍して話を色々聞いたが、イスラムの世界というのは簡単に理解出来ない部分がある。ほとんどの日本人にとってあまり身近に感じることのできない要因などが深く関わっているからだと思う。日本は外敵の侵入がほとんどなく島国ではぐくんできた固有の独特な文明があり、身近に文化の違い、宗教の違いを感じることが他の国々の人と比べて圧倒的に少ないからではないだろうか。

 思うに、ベルリンの壁の崩壊で、東西冷戦構造が終わり、世界の紛争がなくなり、自由と民主主義を基調とする平和な世界が訪れるものと思った。しかし、その後の世界は期待を全く裏切るもので、地域紛争、民族紛争、テロの蔓延…多くのことが起こっている。

 冷戦終結後の世界政治に対しハンチントンさんの「文明の衝突」という本がある。
1)冷戦が終結し、イデオロギーをめぐる対立が終わる。
2)今後は、国家単位の区分ではなく、宗教・民族等の文明間に対立・紛争が起きる。
 というものである。ある意味では正しいかもしれない。

 1年間在籍したイランの人によると、かつてのイラン革命は、イスラムの教えを忘れて、 アメリカの真似をした国づくりをめざしてきたのが原因とのこと。西欧は国家運営にまでキリスト教を持ち込むことはないが、イスラム国家はそうではない。エジプトのルクソールでおきた無差別テロ事件は、現在のエジプトという国家のありかたに反対なイスラム組織。 エジプトは国民のほとんどイスラム教徒であるが、政治はイスラム的ではないそうだ。酒も売っているし女性の服装も自由、貧富の差も大きい。そこの不満が世直しへの期待と結びついていく。ルクソールはムバーラク政権に打撃を与えるために不満層の過激なグループが、観光客を襲撃した。イスラム教徒にとって、 ある理不尽な状況を選挙や外交交渉で解決できなくなったとき、 彼らはイスラムを旗印にして暴力に訴える。

 テロが起こった原因としては、貧困が要因との見方もある冷戦後1人勝ちしたアメリカの身勝手さと言う人もいる。無意識の内に強引な押し付けを行っていたこともあろう。

 わたしたち日本はどうだろう。冷戦の中ではアメリカの傘の下である意味では安穏だった。
 北朝鮮は核開発を成功しているだろうし、中国は覇権を目指し、どんどん進むと思う。欧州連合をならって円ブロックを形成しようとしても、なかなか実現しそうにない。
 日本は、今後は経済的にも孤立していくかもしれない。
 非常に厳しい状況である。