03年3月7日の「赤旗」スポーツ欄で、プロ野球のセ・パ両リーグの審判員で組織する連帯労組・審判支部が、経営者・プロ野球機構側との団体交渉のなかで、賃上げを含む諸要求について満足のいく回答が得られなかった場合、スト権の行使も辞さない構えであることを表明し、交渉が緊張局面に入っていることを報じている。
この問題は一般紙やスポーツ新聞でも報道され、社会的にも大きな反響を呼んでいる。しかし、その多くは「現状でも審判員は年収1千万円で、高給取りだ」「審判にも誤審など問題があるのに賃上げなど論外」「世間は不況。みんなが低賃金で失業者が増加しているときに組合側の要求は非現実的」など、わが国のスポーツジャーナリズム?はその反動性を満展開させている。
その一方で「赤旗」は、この日の記事の中で、年収一千万円は実際の賃金ではなく業務上の審判一人あたりの経費まで含めた金額であり、実態を反映していないこと、審判労働者の雇用身分が不安定であること、人事評価の基準もきわめて不明確で、解雇基準もいいかげんであること、若手の審判労働者に至っては副業をしないと生活できないような「人たるに値しない」低賃金であることなど、「ワイドショー・スポーツ新聞」的な野次馬イエロージャーナリズムのペテン的報道に対して向こうを張った記事を掲載した。
赤旗特有の党幹部礼賛記事より扱いが小さいのが残念だが、よくできた記事だと思う。久しぶりにいい意味での赤旗らしい記事をよませてもらった。
関口編集局長。「赤旗」読者はこうゆう記事を求めているのだということを肝に命じなさい。
赤旗の日刊紙部数が大きく減少したのはあなたが編集局長になってからですよ。