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今、意思表明するとき、しかし

2003/3/26 Hegel、40代

 今、この時点で、自分がこの戦争に対してどのような態度をとるか、一人一人が問われている。もちろん、理論的分析は必要である.しかし、現にイラク民衆の頭上に、彼らの祖国に爆弾が投下されている今、このことに対してどのような態度を取るかは、その人の感性も含めた人間性の問題であると思う。
 私は、米英らは即、撤兵すべきであり、また、この不要な戦争にたいするイラクの蒙った被害について全学賠償し、また、2度とこのような無法な戦争を行いえないよう、これら侵略国の危険な大量破壊兵器を大幅に制限すべきであり、そのためにも米英への国連の査察が必要である、と思う。それによってこそ、改めてイラクにも軍備縮小の平和的圧力をかける大義が生じると思う。
 しかし、例えば、私は一連の国連決議をつぶさに読んでこのような判断をしているわけではない。戦争に反対するのにそのようなことは必要であろうか。
 さて、反対運動がこれまでになく盛り上がっているのではあるが、町を普通に歩いている限り、戦争が行なわれていることを示すものは殆ど何もないのである。町のあちらこちらに戦争反対のポスターや意思表示の張り紙があってもいいではないか。がっかりさせられもするのだが、これが世間である。世間のある意味でのこの鈍感さは、逆に、一気に反動の流れに組みすることもない鈍感さでもあり、そういう意味では健全さともいえる。今戦争反対を意思表明するのに、理論的分析を要求する声など無視してしまえばいいのだが、この運動を、結果がどうなろうと、あの雑草のそれのようなしぶとい草の根に変えていくためには、やはり平和への感性を理論的認識に高めていかなければならない。
 この点、 共産党をあまりあてにすることは全くできない。特に国際問題に関しては、彼らは野党外交を進めていく立場である。それは総体的に見ればやむをえない面もあると思うが、はっきりしたことは言えなくなくなる。例えば、イラクの民衆の顕在的、潜在的反フセイン運動にどのように連帯していくか、ということが赤旗や前衛で特集されることはありえない。革新の立場でもっと自由に論じることのできる雑誌が是非とも必要である。何時かそういう雑誌が刊行されるためにも、今、私はさざ波を応援している。
 なお、共産党は、党勢拡大とイラク戦争反対の二股をかけているようだが、これまでも何人かの方が指摘されているように、イラク選反対にすべての運動を従属させてこそ、国民の声に応えることができる、ことを私も指摘しておきたい。

2003年3月26日